会議種別:
参議院北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会
会議日時:
2011年4月20日(水曜日)午後1時開会

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発言者 発言内容
(省略)
委員長  北朝鮮による拉致問題等に関しての対策樹立に関する調査を議題といたします。
 まず、北朝鮮をめぐる最近の状況について、松本外務大臣から説明を聴取いたします。松本外務大臣。
国務大臣
(松本剛明君)
 私からも改めて、今回の地震によってお亡くなりになられた方々に心から御冥福を申し上げるとともに、御家族にお悔やみを申し上げ、また、被災された方々にはお見舞いを申し上げたいと思っております。
 外務大臣といたしましては、諸外国、地域、国際機関からいただいた支援に感謝をこの場を借りて申し上げながら、その力も生かして、政府としてしっかり震災対応、復興に取り組んでまいる決意でございます。
 さて、改めて、外務大臣に就任をしました松本剛明でございますが、参議院北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会の開催に当たって御挨拶を申し上げ、最近の北朝鮮をめぐる状況について御報告をいたします。
 北朝鮮は、昨年三月に韓国哨戒艦沈没事件を引き起こし、同年十一月には六者会合共同声明や国連安保理決議に違反するウラン濃縮計画の存在を公表し、さらに韓国延坪島を砲撃する等、挑発的行為を繰り返しています。このように、朝鮮半島情勢は依然として緊迫しており、北朝鮮の動向は我が国を含む地域全体にとって重大な不安定要因となっています。
 韓国と北朝鮮との間の対話については、二月に行われた南北軍事実務会談は合意に至らず終了しましたが、本年三月及び四月には、白頭山火山に関する南北間の専門家協議が開催をされています。政府としては、今後も南北関係の推移を注視していく考えです。
 北朝鮮は対話を求めていますが、六者会合は対話のための対話とすべきでなく、その再開のためには、まず北朝鮮が非核化を始めとする六者会合共同声明における自らの約束を完全に実施する意思があることを具体的な行動によって示さなければなりません。また、北朝鮮のウラン濃縮活動に対して、国際社会の懸念が適切な形で示されることが六者会合を通じた問題解決のために重要であると考えます。そのような認識に立って、引き続き、国連安保理決議等に基づく措置の着実な実施を含め、米国及び韓国、さらには中国、ロシアといった関係国と緊密に連携していく考えです。
 日朝関係については、日朝平壌宣言にのっとり、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して日朝国交正常化を図る方針に変わりはありません。
 特に、拉致問題は我が国の国家主権と国民の生命、安全にかかわる重大な問題であり、全ての拉致被害者の一刻も早い帰国を実現するため、全力を尽くします。二〇〇八年八月の日朝間の合意に従った全面的な調査のやり直しが早期に開始され、拉致被害者の方々の一刻も早い帰国につながるような成果が早期に得られるよう、引き続き北朝鮮側に強く求めていく考えです。三月のG8外相会合の際も、私より拉致問題解決の重要性を改めて指摘し、G8各国の外相から理解と協力が表明されました。また、その後の日中韓外相会議の際も、私より、拉致問題の解決に向けて、北朝鮮が具体的行動を取る必要性を強調いたしました。
 我が国としては、北朝鮮との対話を拒むものではありません。北朝鮮が拉致、核、ミサイルといった諸問題の解決に向けた前向きかつ誠意ある対応を見せるのであれば、日米韓で緊密に連携しつつ、我が方としても同様に対応する用意があります。北朝鮮問題については、日米韓で緊密に連携して対応してきており、引き続きこのような連携を堅持する考えです。
 白委員長を始め、本委員会の皆様の御支援、御協力を心よりお願いを申し上げます。
委員長  次に、拉致問題をめぐる現状について、中野国務大臣から説明を聴取いたします。中野国務大臣。
国務大臣
(中野寛成君)
 拉致問題担当大臣の中野寛成でございます。拉致問題をめぐる現状について御報告申し上げます。
 まず、今般の東日本大震災で被災された方々やその御家族に心からお悔やみとお見舞いを申し上げますとともに、被災地で昼夜を分かたず救援、救護や生活支援、そして原発の事故対応等に懸命に取り組まれている方々に心から敬意を表する次第であります。
 家族会、救う会からも、犠牲者への心からの哀悼の意と被災者へのお見舞い、そして拉致被害者救出運動にこれまで寄せられた国民の温かい思いに感謝する立場から、被災者のための支援活動に参加される旨のメッセージが発せられておりますことを御報告を申し上げます。
 現在、我が国は東日本大震災という未曽有の危機に直面しておりますが、北朝鮮による拉致問題は、我が国に対する主権侵害かつ重大な人権侵害であります。政府としては、国の責任において、全ての拉致被害者の一刻も早い御帰国、救出を実現するため、全力を尽くす必要があります。拉致被害者の御家族は既に大変御高齢の方も多く、被害者の救出は時間との闘いともなっており、拉致問題の解決に向けた取組をいっときも休めることはできません。
 昨年十一月に開催された拉致問題対策本部の第四回本部会合では、本部長である菅総理から、北朝鮮に対する更なる措置の検討及び厳格な法執行の推進、北朝鮮側による具体的な行動への継続した強い要求等の八項目にわたる指示が出されました。これに基づき、拉致問題対策本部を中心として、関係各府省庁が協力して、政府一丸となって取り組んでまいります。
 北朝鮮は、平成二十年八月の日朝協議で合意した拉致問題の解決に向けた全面的な調査のやり直しをいまだに実施しておりません。また、昨年三月には韓国の哨戒艦沈没事件を、同年十一月にはウラン濃縮計画の公表や延坪島砲撃事件を引き起こすなど、北朝鮮をめぐる情勢は予断を許さない状況であります。
 一昨年九月の政権交代以降、これまで、新たな拉致問題対策本部の設置、関係予算の増額及び事務局体制の強化を図り、徹底した情報の収集、分析や、韓国、米国を始めとする関係各国との緊密な連携、被害者御家族との密接な意見交換などに努めてまいりました。
 また、現在、警察においては、朝鮮籍の姉弟が日本国内から拉致された事案を含め十三件、十九人を拉致容疑事案と判断しており、拉致の実行犯等として、北朝鮮工作員やよど号のハイジャック犯人等、計十一人について、逮捕状の発付を得て国際手配をしているところであります。さらには、これらの事案以外にも、北朝鮮による拉致の可能性を排除できない事案があるとの認識の下、鋭意所要の捜査や調査を進めております。
 また、今月一日の閣議では、人権教育・啓発に関する基本計画に拉致問題等に関する記述が盛り込まれたところであり、五日の閣議では、北朝鮮籍船舶の入港禁止措置及び北朝鮮との輸出入禁止措置について、期限を一年間延長することが決定されたところであります。
 私は、これまでの政府の取組を継承しつつ、先ほど申し上げました本部長指示に基づき、拉致問題の解決に向けた取組をより一層強化してまいる所存であります。
 白委員長を始め、理事、委員の皆様の御理解、御協力を心よりお願いを申し上げます。
委員長  以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
広野ただし  民主党・新緑風会の広野ただしでございます。
 東日本の大震災の復旧復興、そしてまた、これはもう本当に国民的な課題だと思いますけれども、それと並んで拉致の問題、これももう拉致家族、関係者の方々は二十年、三十年にわたって苦しんできておられる、こういうことですから、これもまさに与野党を超して超党派でやらなきゃいけない国民的な課題だと私たちは思っております。
 そういう中にあって、菅政権になりましてからもう十か月ちょっとになるわけですが、そういう中で外務大臣は、岡田さん、前原さん、また松本さんと、こういうことで三人目になられるわけであります。また、拉致担当大臣は、中井さん、柳田さん、仙谷さん、そして中野大臣ということでありますし、国家公安委員長も三代目ということになられるわけであります。このことは、与野党を超して、また拉致家族の方々、関係者の方々、また国民も、したたかな北朝鮮を相手に、もうまさに陰険な、またいろんな脅しがある、そういう瀬戸際外交を展開している北朝鮮に対して、拉致問題あるいは核、ミサイルの問題、本当に解決してもらえる政権なんだろうかと、またそういうことについて本当に不安また不信を持っておられる面があると思います。
 そこで、任命権者はあくまで菅総理なんでありますが、両大臣にはそういう面ではやむを得ない点がございますが、いずれにしましても、これからそういう不安、不信を払拭するように全力で取り組んでいただく、そういう決意といいますか考えをまずお聞かせいただきたいと思います。
国務大臣
(中野寛成君)
 お答えをいたします。
 一月十四日に、拉致担当大臣及び国家公安委員長を命ぜられました。その際の、その直後の記者会見等でも、家族会の皆さんが大変憂慮しておられる、心配しておられるという報道もされておりましたので、まず会見でも、今、広野先生御指摘のような、担当大臣が度々替わる、そのことによって皆さんに大変不安、また憂慮されるお気持ち、そのお気持ちはよく私も分かりますので、まず冒頭にそのことのおわびを申し上げました。また、その後、家族会代表の飯塚繁雄さんを始め拉致被害者の御家族の皆さんとも何度かお会いをさせていただきましたが、その最初の会の冒頭にそのことのおわびを申し上げたところであります。
 同時に、拉致問題はまさに国家の主権にかかわる問題でありますし、国民の生命、安全にかかわる重大な人権侵害でありますから、そういう意味では、担当大臣が誰であろうと、また時の政権がいかなる政権であろうとまさに超党派で取り組むべき課題であると、またそういうふうに我々はお互いにしてきたと確信をいたしております。
 よって、その気持ちで現在も、昨年十一月の拉致問題対策本部第四回本部会合で示されました本部長指示に基づきまして、拉致被害者の帰国、救出に向けて誠心誠意努力してまいりたいと、このように思っている次第でございます。
国務大臣
(松本剛明君)
 広野理事おっしゃったように、私も菅内閣で三人目ということでございまして、私自身もこのような形でこの職責を命ぜられるとは思ってもおりませんでしたけれども、微力ではございますが、お引き受けをした以上は全力を傾けて努力をすることによって改めて御信頼をいただけるように努めるほかないと、その決意で努めてまいりたいと、このように思っております。
広野ただし  本当に北朝鮮、もう核、ミサイル、いろんな瀬戸際の外交を展開しておりますので、本当に我々も大いに協力をいたしますので、決して二元外交的なことはやりませんので、是非全力でやっていただきたいと思います。
 ところで、昨年から北朝鮮、哨戒艦天安沈没事件ですとか延坪島の砲撃事件等、またウラン濃縮施設の公開等、非常に強硬な姿勢でいろんな動きをしてきております。この背景について伺いたいと思うんですが、北朝鮮の中では、三代にわたって政権を移譲しようというようなことですとか、あるいは食料事情が非常に悪い、また一昨年やりましたデノミのことで経済も混乱をしている、こういろんなことがありますから、対内をまとめるためにも対外的に強硬姿勢を取るとか、そういうようなこと等もあろうかと思いますが、どういう背景でこういう強硬姿勢に出てきているのか、外務大臣に伺いたいと思います。
国務大臣
(松本剛明君)
 いろんな情報、そしてその分析、検討などについても様々のお声があり、今、広野理事おっしゃったような見方も一つの見方としてあるというふうに言われていることは私どもも承知をしております。
 政府の立場からは、北朝鮮内の動きをしっかり内部の情勢も含めて注視をして、またこれらの動き、内外の政策にいかなる影響を及ぼすのかといったようなことも含めて関連情報の収集に努めて、慎重に分析、検討をしていくのが使命だと、このようには思っておりますが、政府の立場から北朝鮮が挑発行為を行う意図などを推し測って申し上げるということは差し控えさせていただきたいと思います。
 なお、延坪島の砲撃については、北朝鮮側は韓国軍の軍事演習実施に対する措置と、これは北朝鮮側は説明をしている。また、北朝鮮では、今お話がありましたように、金正日国防委員長の三男とされる金正恩氏への権力継承が進められているとされる。また、来年二〇一二年、強盛大国実現に向けたこれが目標年でありますので、北朝鮮内部の情勢がどうなっていくかということも注視をしなければいけないといったようなことは今申し上げられるかと、このように思っております。
広野ただし  それと、この拉致問題ですね、十三人の方々が二〇〇五年ですか戻られて以来、ちょっと膠着状態が続いているというふうに言って過言ではないかと思います。
 そういう中で、六か国協議中心のやり方ということで本当に問題解決ができるんだろうかという点があります。そういう中で、日米韓、大臣の言われたとおり日米韓の連携、そしてまた日韓の連携というもの、これは非常に大切で、私は特に日韓は、韓国の場合は特に民族が北と一緒ですし、そしてまた言葉も、そしてまた脱北者が二万人もと言われているくらいでありますので、いろんな情報が取れると、こういうことでありますので、韓国との連携というのはもっと密にやらなきゃいけないんじゃないかと、こう思っております。
 そういう中で、幹部の問題ばっかりじゃなくて、一般の国民の皆さん、北の国民の皆さんにしっかりと訴えるということ、これが海外の、日本からの、何といいますか、ラジオ放送等をやって、これもそれなりに北朝鮮の方々は聞いているようであります。韓国の放送は特に聞いているようなんですが、ただ日本の放送は拉致問題ばっかりやるということなんですね。だから、これ大事なことなんですけれど、またこれだということで切ってしまわれるというようなことがあるようなんです。ですから、もう少し、言葉は悪いかもしれませんが、軟らかいものですね、メロドラマとか何かも入れながら、そしてそこに入れるというようなこと、これは特定失踪者の会もやっておられますし国の方もやっておられるということなんで、もう少しうまいやり方で北朝鮮の国民にももっと拉致問題を知らせる、実質的に分かってもらう、こういうふうなことも非常に大切なんじゃないかと思っておりますが、両大臣のそれぞれの御見解を伺います。
国務大臣
(中野寛成君)
 貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございます。
 先般も家族会の皆さんともお話をいたしましたが、今日も傍聴されておりますが、増元事務局長からも、その放送の内容等についてもう一工夫いろいろな形でした方がいいのではないかという御意見もちょうだいをいたしました。できるだけ強い姿勢で相手にインパクトを与えるというやり方、そしてまた聞いておられるであろう被害者の皆さんにいかに希望と勇気を持っていただけるかということなど、その放送には幾つかの目的があります。そのことを意識しながら、今後ともいろいろとまた家族会の皆さんとも御相談をしながら、今後とも工夫を重ねていきたいと思います。
国務大臣
(松本剛明君)
 おっしゃったように、拉致問題の解決には、政府間にとどまらず、あらゆるチャンネルで、あらゆる方法で働きかけて動かしていくことが大切だと、そしてその方法は効果的でなければならないと、このようなお話だろうと思います。
 今、中野大臣からもお話がありました。私どもも、我が国として、そして政府として是非解決しなければいけない拉致問題であるという位置付けの下、中野大臣ともよく連携をして、ただすべきはただしていけるように、また政府の一員として努力をしてまいりたいと思っております。
広野ただし  私の持ち時間はもう少しあるんですが、公務がおありのようですので少し短縮させていただきまして、同僚に移らせていただきます。
(以下省略)