会議種別:
参議院本会議
会議日時:
2012年7月11日(水曜日)午前10時1分開議

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発言者 発言内容
議長  これより会議を開きます。
 日程第一 公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律案、被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案、社会保障制度改革推進法案、子ども・子育て支援法案、就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律案及び子ども・子育て支援法及び総合こども園法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(趣旨説明)
 以上六案について、提出者から順次趣旨説明を求めます。
(省略)
議長  休憩前に引き続き、会議を開きます。
 趣旨説明に対する質疑を続けます。広野ただし君。
〔広野ただし登壇、拍手〕
広野ただし  新会派、国民の生活が第一の会長、広野ただしです。
 会派を代表して、議題となりました、いわゆる社会保障と税一体改革関連法案について質問いたします。
 まず、野田内閣の正当性について伺います。
 民主党は、二〇〇九年政権公約、国民の生活が第一を掲げて、総選挙において、国民の信任を得て歴史的な政権交代を果たし、鳩山内閣が発足しました。その後、菅内閣に替わりましたが、菅内閣は、参議院選挙で民主党のマニフェストにない消費税増税を口走り、惨敗しました。その政治責任も取られない中、二〇一一年、野田さんは、民主党の国会議員だけの選挙で海江田さんに次いで第二位であったにもかかわらず、二位、三位、四位連合の合従連衡で民主党代表に就かれ、総理になられたわけであります。鳩山さんから数え、民主党では第三代目の総理ではありますが、いまだ総選挙で国民の信任は得ていません。それなのに、マニフェストに書いていない消費税の大増税を行おうとしています。これは国民を裏切るものであり、民主主義に対する背信行為だと思いますが、総理の弁解をまずお聞きしたいと思います。
 野田総理は、マニフェストに書いていないことはやらないのです、マニフェストに書いてあることをやるのです、まずシロアリ退治ですと国民に約束されました。
 そこで、総理に伺います。
 マニフェストで民主党が国民に約束した、一つ、税金の無駄遣いと天下りの根絶、企業・団体献金の禁止、衆院定数八十人の削減はどうなっているのか、国民に対してお答えください。
 一つ、消えた年金をなくするための年金通帳は実現していますか。
 一つ、月額七万円の最低保障年金は社会保障改革国民会議送りになっていますし、自民党、公明党の反対で実現しそうにないように見えますが、国民に対して申し開きをしてください。
 一つ、後期高齢者医療制度を廃止し、医師の数を一・五倍にしますと約束していますが、これについても弁解をお聞かせください。
 一つ、年金保険料の未納を減らし、行政改革も併せて実現するため、歳入庁を創設すると約束していましたが、これも引き延ばしになりそうです。国民に対して申し開きをしてください。
 ほかにもありますが、まずは、以上六問について総理にお伺いします。
 消費増税は、何よりも東日本大震災の被災者の方々を苦しめます。
 被災地の復旧・復興は遅れに遅れています。瓦れきの処理も遅れています。間もなく暑い夏です。悪臭やハエ、蚊で悩まされます。瓦れき処理の状況、そしてもっと早くできないのかについて、細野大臣に伺います。
 野田総理は、昨年秋、福島の再生なくして日本の再生なしと、福島原発処理に取り組む決意を述べられました。しかし、福島原発のメルトダウンの対策及び処理は一向に進んでいません。いつになったらメルトダウンの対策ができ、住民の不安がなくなるのか、お答えください。また、廃炉はいつ始まって、いつ終了するのか、野田総理から住民、国民に対してお答えください。
 福島原発の処理を東電任せにしていては、福島の再生はどんどん遅れるでしょう。もっと国が前面に出て、アメリカ、フランス等の技術協力も得て、オールジャパン体制で取り組むべきと考えますが、野田総理の御意見を伺います。
 東日本大震災の復旧・復興は、現状から見ると、どんなに早くても三年以上は掛かるでしょう。しかし、消費増税は、被災地の方々や仮設住宅の方々にも容赦なく課税されます。
 古来、徳のある為政者は、天災や飢饉等のときは農民の年貢を軽くし、つまり、税を軽くして復旧・復興を助けました。しかるに、野田内閣は、苛斂誅求、あろうことか、増税によって被災地の方々を苦しめようとしています。自民党、公明党もぐるになって被災地を痛め付けようとしています。口では助けます、支援しますと言いながら、結果としては被災地を苦しめる、野田総理の非情とも言える被災地の方々に対する増税の仕打ちについて見解を伺います。
 野田総理は、社保・税の一体改革は待ったなしだとよく言われますが、新会派、国民の生活が第一は、被災地の方々の生活を守り、被災地の復旧・復興を加速すること、そして、福島原発のメルトダウンを一日も早く収束し、廃炉処理を迅速化することこそが待ったなしで、それに全力で取り組むことが被災地を救う現在の日本の最重要課題だと強く申し上げます。
 消費税の大増税は、直接的に国民を苦しめます。毎日の食料品、交通費、医薬品、医療費、教育費、電気代、ガス代、ガソリン代、下水道代等々が値上がりし、課税されます。豊かな方々にはそれほど影響はないかもしれませんが、中間層で年収三百万から四百万の方々は非常に厳しい生活を強いられます。私たちの試算では、一世帯当たり毎月二万円、三万円の負担増を強いられ、生活は苦しくなるばかりです。
 また、中小企業も現状より更に厳しくなります。現状でも、中小企業で、預かった消費税分を納められなくて、未納、延滞の人たちが一〇%ないし二〇%おられると聞いています。消費税が一〇%に増税されれば更に厳しくなって、それこそ、消費税増税倒産ということにもつながりかねません。
 消費税引上げに当たっての経済状況判断も法律上誠に曖昧で、野田総理も安住大臣も、現在のようなデフレ脱却もしていない厳しい経済状況でも消費税の引上げはできると国会で答弁しています。まず消費税増税ありきで、消費増税は相当厳しい経済状況下でも必ずやるということです。余りにもひど過ぎます。野田総理及び安住大臣の御意見を伺います。
 政治には、やはり原理原則がまず必要です。野田内閣は、決められない政治からの脱却だと、今回の三党合意による無原則な妥協を正当化しようとしています。
 しかし、二〇〇九年の政権交代時には、民主党は、消費税は上げない、まず徹底的に行政改革をする、政治改革をすると国民に約束したはずです。ところが、約束事を中途半端にしたまま、自民党、公明党と妥協の上、野合を組み、国民を苦しめる消費増税にひた走っています。
 しかも、重要な課題を社会保障改革国民会議での議論に先送り、棚上げしています。この国民会議は、名称は美しいが、国民からは全く遊離し、結局は役人主導で、そして役人のさじ加減で、また国民によく分からないうちに課税の軽減や給付等を行おうとするものです。
 また、政府原案では、消費増税分は全て社会保障に充当することになっていたものが、三党合意では、状況によっては成長戦略や事前防災や減災に充てることができるようになりました。そして、自民党は、これにより国土強靱化計画を推進できると意気込んでいます。
 妥協の産物は、無原則な政治、無責任な政治になりがちです。ですから、庶民とともに歩んだ世界の哲人ガンジーは、無原則な政治、ポリティクス・ウイズアウト・プリンシプルズを社会の七つの大罪のうちの第一番目の大罪にして戒めているのです。
 私たち新会派、国民の生活が第一は、まさに、国民の生活を守り、自立と共生の理念の下に、日本をすばらしい国にしていきたいと考えています。
 国会では、民主、自民、公明の大政翼賛会的野合の結果、消費増税法案は成立するかもしれません。しかし、私たちは、まさに本日夕刻、同志諸君とともに新党を立ち上げます。そして、国民との公約を破る消費増税の大増税反対の国民運動を展開し、来るべき衆議院選挙においては友党等と手を携えて必ずや政権に復帰し、この消費増税法案を葬り去ります。私たちは、政治を正しい政治に戻し、議会制民主主義を守り、日本の発展に貢献する所存であるとの決意を申し述べまして、質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
内閣総理大臣
(野田佳彦君)
 広野ただし議員の御質問にお答えをいたします。
 まず、マニフェストについて六つの御質問をいただきました。
 一つ目の、マニフェストと消費税率の引上げとの関係でございますが、社会保障・税一体改革の実施については、税収の大幅減、東日本大震災の発生、毎年度一兆円単位で増加していく社会保障の財源問題、さらには欧州におけるソブリンリスクの顕在化などを踏まえ、もはや先送りできないと判断をいたしました。
 消費税について衆議院選挙の時点で明確に方向性を示していなかったことについては真摯に反省し、おわびしながら、国民の皆様に御理解をいただける努力を重ねていく決意であります。
 本院で審議中の法案では、消費税率の引上げの実施時期は衆議院選挙を経た後となっており、やるべきことをやり抜いた後に適切な時期において国民の皆様の審判を仰ぎたいと考えております。
 二つ目の、マニフェストに掲げた税金の無駄遣い根絶については、政権交代直後から事業仕分などにより全力を挙げて取り組んでおり、一定の成果は上げてきたものと考えておりますが、マニフェストに掲げた金額に及ばないことは事実でございます。
 昨年夏の中間検証でも認めたように、財源確保の実現可能性についての見通しに甘さがあったことは事実であり、この点については率直に国民の皆様におわびをしております。
 天下りについては、政権交代直後の九月二十九日に省庁の天下りあっせんを禁止したところであり、その後は、組織改廃に伴う一部の例外を除き、民主党を中心とする連立政権において天下りのあっせんは行っておりません。
 企業・団体献金の禁止については、民主党としての提案をまとめましたが、いまだ各党の御賛同をいただくに至っておらず、今後に残された課題となっていると承知をしております。
 議員定数の削減については、一票の格差是正、選挙制度改革と併せて各党で御協議をいただいておりましたが、衆議院段階において協議が調わず、先般、民主党として各党の御主張にも配慮した法案を提出したとの報告を受けております。
 無駄遣いの根絶に向けた努力、行政改革、政治改革は不断の取組が必要であり、今後も引き続き全力で取り組み、政治家自らが身を切る努力を含めて成果を上げていきたいと考えております。
 三つ目の年金通帳については、厚生労働省の有識者検討会から、昨年十一月にインターネットを活用した形での実施に関する提言をいただいたところであります。現在、この提言を受け、納めた保険料や受け取る年金額をいつでも御自身で確認いただくためのものとして準備を進めております。
 四つ目の最低保障年金を含む新年金制度と、五つ目の後期高齢者医療制度の扱いについては、今回の三党合意や改革推進法案の内容に従って対応してまいります。この枠組みの中で、民主党としての考え方をしっかりと主張しながら、合意形成に向けて議論を深めていきたいと考えております。
 また、医師数については、医師不足に対応するため、平成二十年度から順次、医学部入学定員を千三百六十六人増員しており、平成二十四年度には過去最大の八千九百九十一人まで増加をしてまいります。
 六つ目の歳入庁については、先般、衆議院において可決された修正案において、年金保険料の徴収体制強化等について、歳入庁その他の方策の有効性、課題等を幅広い観点から検討し、実施するとされているところであります。政府としては、本法案が成立した場合には、この規定に基づき、年金保険料の徴収体制をどのように強化していくのか、歳入庁その他の方策について検討を進めてまいります。
 東電福島第一原発の事故処理に関するお尋ねがございました。
 東電福島第一原発一から四号機の廃炉については、中長期ロードマップに基づき、来年中に四号機の使用済み燃料プール内の燃料取り出し開始を当面の最優先課題としており、また、溶融した燃料の取り出し開始はステップ2完了から十年以内を目標としており、現在、建屋内除染技術、遠隔操作装置等の研究開発に取り組んでいるところであります。また、廃止措置の終了は、ステップ2完了から三十年から四十年までを主要な時期的目標としております。
 こうした取組は、これまで経験のない技術的な困難性を伴うことから、官民の協力の下、アメリカやフランス等を含め、国内外の英知を結集して必要となる研究開発を実施していくことが不可欠であり、現在、そのためのプロジェクトを進めているところであります。これまでに、溶融した燃料の取り出し準備の装置開発等に係る国際的ワークショップやシンポジウムを開催し、国内外の有識者、専門家の技術的知見を広く活用するとともに、発電所の状況について国内外に対し広く情報提供を行っております。
 今後とも、発電所の安全維持に万全を期しながら、政府と東京電力が一体となって、廃炉に至る最後の最後まで全力を挙げて取り組んでまいります。
 東日本大震災と消費税率引上げについてのお尋ねがございました。
 大震災からの復興は、この内閣の最優先課題の一つであります。復興庁が中心となって、復興交付金、復興特区制度を活用しながら、インフラの本格復旧を加速させるとともに、住宅再建等の本格的復興の促進に努めています。被災地の生活再建策に関して、これまでも様々な税制上の特例措置や被災者生活再建支援金、災害復興住宅融資等の様々な予算措置を講じています。
 その上で、今回の一体改革との関係では、法案の提出時に、消費税の税率引上げに当たっても、住宅を失った被災者の方々が恒久的な住まいを確保する際には、地域全体の町づくりを進める中で支援を行うなど、被災者の方々の負担緩和への配慮を行う、中長期的な視野を持って復興に取り組むため、福島県等における原子力災害や農産品等に対する風評被害を含め、復旧・復興の状況や被災地の要望も踏まえ、今後とも、必要な税制上その他の支援を実施するという方針を決定しており、この方針に沿って復興に向けて必要な支援を実施をしてまいります。
 消費税率引上げと経済との関係についてのお尋ねがございました。
 社会保障と税の一体改革は待ったなしであり、不退転の決意で臨みますが、それとともに、新成長戦略の加速や日本再生戦略の策定、実行を始め、デフレ脱却や経済活性化に向けた取組を全力で進めていく決意であります。
 また、消費税率の引上げは、その引上げ分は全額社会保障財源として国民に還元されるということ、したがって、社会保障制度には所得再分配機能があり、給付と負担の全体を見ると低所得者には負担を上回る受益があること、また、社会保障改革の中で貧困格差対策を強化し、きめ細やかな低所得者対策を講ずることも併せて考える必要があると考えております。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
〔国務大臣細野豪志君登壇、拍手〕
国務大臣
(細野豪志君)
 災害廃棄物の処理の進捗状況についてお尋ねがございました。
 災害廃棄物の処理は復興の大前提であり、平成二十六年三月末までに終えることが目標であります。広野議員御指摘のとおり、処理がこれまで遅れておりましたが、被災地の努力、そして全国の御支援で、この目標を達成し得る状況になっております。岩手、宮城及び福島三県の沿岸部の災害廃棄物の処理の進捗状況につきましては、六月末の時点で発生推計量約千八百八十万トンのうち二〇・三%、三百八十二万トンの処理が完了しております。
 こうした災害廃棄物の処理の進捗によりまして、仮置場の解消も進んでおります。例えば、宮城県岩沼市においては、十一か所のうち十か所の仮置場の災害廃棄物について、六月末までに二次仮置場への移動を完了し、跡地が利用できる状況になりました。
 仮設焼却炉の設置、稼働も順次進めております。宮城県、岩手県両県におきましては、十七基が既に稼働中であります。今後、更に整備を進めるとともに、処理が一層加速することを目指してまいりたいというふうに思います。
 広域処理につきましても、現在、東京都、青森県、秋田県、山形県、群馬県、茨城県、そして静岡県、一都六県で受入れを実施中であります。さらに、北九州市や大阪市でも受入れ表明がされるなど、進捗が見られているところであります。
 暑い夏がやってまいります。被災地の復興のために災害廃棄物の一日も早い処理に全力で取り組んでまいります。是非とも御協力をお願い申し上げます。(拍手)
〔国務大臣安住淳君登壇、拍手〕
国務大臣
(安住淳君)
 消費税率の引上げと経済の関係についての御質問をいただきました。
 この点については、実は三党の実務者の皆様の話合いの中でも最も重視をした点でございますので、これを軽んじているわけでは全くございません。
 税制抜本改革法案の附則十八条に関しては、このため、三党による法案修正を行いました。その結果、第一項目にあります、この平成二十三年度から三十二年度までの十年間の平均において名目成長率三%程度、実質成長率二%程度の経済成長を目指すという政策努力の目標を示し、こうした望ましい経済成長の在り方に早期に近づけるための総合的な施策を実施する旨を規定する第一項とともに、今回新たに、税制の抜本的な改革の実施等により、財政による機動的対応が可能となる中で、我が国経済の需要と供給の状況、消費税率の引上げによる経済への影響等を踏まえ、成長戦略並びに事前防災及び減災等に資する分野に資金を重点的に配分することなど、我が国経済の成長等に向けた施策を検討する旨を規定する第二項が追加をされました。この第二項の追加を踏まえ、経済状況の好転について、名目及び実質の経済成長率、物価動向等、種々の経済指標を確認しながら、引上げに当たってはこうしたものを総合的に勘案しながら行うということを規定をしております。
 このように、政府といたしましても、三党としても、国民の生活に十分配慮しながら、デフレ脱却、経済活性化に向けた取組を全力で進めてまいりたいと思っております。(拍手)