会議種別:
参議院財政金融委員会
会議日時:
2012年7月26日(木曜日)午前10時7分開会

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発言者 発言内容
(省略)
委員長  金融商品取引法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
(省略)
広野ただし  国民の生活が第一の広野ただしでございます。
 財政金融委員会で新しい会派になりまして初めてということになりますが、よろしくお願いを申し上げます。
 その中で、ちょっと冒頭に苦言を申し上げなきゃいけないのは誠に申し訳ないんですが、今日は十時開催ということになっておりました。ふだんは非常に真面目な民主党の方々が遅れられまして、そしてそのことについて自民党の大御所の鴻池さんがこれでは駄目だということで席を立たれました。私も合わせて席を立ちました。その後、数分たってどうも再開をされたということでありますが、その再開をした、再開といいますか開催について何の連絡もないんですね。これはやはり大変なことで、これは今後あってはならないということだと思いますので、是非、委員長におかれましてはよろしく取り計らいをいただきたいと思います。
 ところで、本論に入らせていただきたいと思います。
 この金商法、証券、そして金融、また商品を横断的、そして一括的にやる総合的な取引所というようなことで改正がなされるということであります。そしてまた、規制の、先ほどもありましたように、規制監督の一元化と、こういうことでありますが、本法改正によって具体的にどのような効果が出るのか。現状の取扱高、そして五年後の取扱高、そして十年後はどうなるのか、そういうことの大体の予測をお示しいただきたいと思います。大臣によろしくお願いします。
国務大臣
(松下忠洋君)
 長年この問題には政権を超えて議論していただきました。これは先ほどからの御質問でもお答えしましたけれども、そういう形の流れの中で集大成としてでき上がってきているというふうに思っております。その意味では長年の懸案だったと、こう考えています。
 今、日本再生戦略というのを検討しております。その中で、二〇二〇年までの目標として、この総合的な取引所において、世界から資金を呼び込み、取引所順位アジアトップを目指すというふうに書いてありますし、この最終目標に向かって我々は努力していきたいということでございまして、そこが我々の目標とするところでございます。
広野ただし  アジアの金融センターというような意味合いも込めてやろうということでありますが、もう少し具体的な数字をお示しいただきたかったなと思っております。
 ところで、この総合的な取引所、まあある意味ではリスクヘッジの面と、もう一つは、円滑な資金調達といいますか、そういう側面とあると思います。
 そういう中にあって、この証拠金の要するに規制といいますか、言わばレバレッジですね、このてこ。非常に現在の世界の情勢がマネーゲーム的な世界と実体経済との間に大変な乖離があって、マネーゲームが言わば実体経済を揺り動かす。本来であれば資金調達等で実体経済を支える、あるいはリスクヘッジをするということが非常に大切なものだと思うんですが、そこのところが、このレバレッジによってもう大変な変動を起こすということになっております。
 国際的にも、レバレッジのものをある程度抑制しようじゃないかという動きがあると思いますが、私の考え方では、まあせいぜい十倍ぐらいまでと。ところが、債券であれば五十倍、そしてFXだと二十五倍ですか。それとか、株価指数だとか、それぞれによって違うわけですけれども、このレバレッジの抑制についての金融大臣の見解を伺います。
国務大臣
(松下忠洋君)
 現在、我が国におきましては、御指摘のように、個人を相手方とする、その外国為替証拠金、まあFX取引ですけれども、これが二十五倍、それから店頭株価格指数デリバティブにつきましては十倍などのレバレッジ規制が設けられております。
 一般的には、デリバティブ取引におけるレバレッジというのは、一定額の取引を行うために必要な証拠金の割合を言うわけですから、例えば百万円の株式先物の買いを買い建てる際には十万円の証拠金が求められる場合ということで、これは十倍ということなんですけれども、やはり適正な判断というのは中であるべきだというふうには私も考えております。
 これらのレバレッジにかかわる、取引にかかわるレバレッジ規制につきましては、取引に伴う損失の発生は原則として投資家の自己責任の問題、それから現行規制は過剰との意見がある一方で、わずかな価格変動に伴い顧客が不測の損害を被るおそれがあることを踏まえれば、現行規制は適正との意見がございます。
 いずれにしましても、金融庁としましては、レバレッジ規制を含むデリバティブ規制やその適切な運用によりまして投資家保護や取引の健全性が適切に確保されるように努めてまいりたいと、このように考えております。
広野ただし  適正とおっしゃいますけれども、私は更に抑制の方向へやっぱり持っていっていただきたいなと。先ほど言いましたように、マネーゲーム的な側面が高まって実体経済に悪さをしてくるというような観点でありますので、今後ともよろしく御検討いただきたいと思います。
 そしてもう一つ、本来、銀行なり金融機関の信用というものは非常に大切で、何よりもかによりも銀行においてはそういうことが大切だと思っております。
 午前中にもあったようですが、LIBOR、ロンドンの銀行間取引、金利の問題につきまして、これはもう数年前からイングランド銀行、そしてまたアメリカ連銀がいろいろと注意を喚起していたという経緯があります。今年に入りまして、公取当局といいますか、スイス関係の競争当局等がいろいろと入ってきているというようなことで、この金利水準が言わば談合めいたことで決まるとか、あるいは金利水準を決めるものの透明性が失われると、こういうことがあっては、いや、銀行も談合なりそんないろんな不正操作をやって、それでもうけているのかと。資金量が膨大ですから、僅か〇・〇一とか違っても膨大な金額になるわけですね。ですから、そういうことがあってはならないと、こう思っておりますが、まず金融庁の見解を伺います。
国務大臣
(松下忠洋君)
 今の議員と全く同じ土俵でいろいろこのことについては高い関心を持って見ております。言わば金融市場における重要な金利指標でございますので、しかもこれは広く世界に使われているという意味で大変重大です。このLIBORといった金利指標に関する不正操作、これはやっぱり金融市場の公平性や透明性に対する信頼を損なう、市場の健全な発展を損害しかねない重大な問題であるという認識で、高い問題意識を持ってこれを注視をしております。
 また、金融庁におきましては、これまでも金利指標に関する不適切な金利の提示といった点も含めて、各金融機関の内部管理体制等について検査監督を通じて確認してきておりまして、仮に問題が認められた場合には、法令に照らし適切な対応を行ってまいりました。シティグループに対する業務停止命令、あるいはUBS証券等もそのとおりでございます。
 金融庁としましては、今後とも引き続き検査監督を通じて各金融機関の内部管理体制等を確認して、仮に問題が認められた場合には、これは適切に対応してまいりたいということで、LIBOR全体についても高い問題意識を持って注視しているということでございます。
広野ただし  是非、前向きにやっていただきたいなと思っております。
 AIJの年金問題のときも、金融庁はなかなか出動しませんでした。こういうことがあってはならないんで、今日は日銀総裁もいらしておりますが、総裁は、十日前ぐらいだったですか、お話をやっぱりされておりますが、まだ調査中のものであるというようなことをおっしゃっておりますが、私は、このLIBOR、そしてまた東京のTIBORと、こういうことを考えますと、何といいますか、検査規制当局じゃありませんけれども、やっぱり銀行中の銀行であるわけで、日銀さんがいろんなことを考えられると、これはやっぱり各銀行、金融機関はしっかりと姿勢を正すということがあろうと思います。ですから、決してかばうことなく、また覆い隠すことなく、これは見て見ぬふりをしないということでしっかりとやっていただきたいと思いますが、御答弁をお願いします。
参考人
(白川方明君)
 お答えいたします。
 金融にとって最も大事なことは信頼でございます。LIBORをめぐる不正操作は、この信用を基礎とする金融機関にとって重大な問題でございまして、今回の件は誠に遺憾であります。また、金融市場の公正性に対する信頼を損ない、市場メカニズムの健全な発展を阻害しかねないという点で大きな問題であるというふうにまず認識しております。
 まず、金融機関においては、こうした不正を防止できるような体制を構築するとともに、金利指標の作成にかかわる金融機関や関係諸団体が指標の信頼性を確保できる枠組みを整えることが金融市場への信頼確保にとって重要だというふうに考えております。
 それから、先生御指摘の中央銀行のかかわり方でございます。
 先生御指摘のとおり、中央銀行自身は、これは規制当局ではございませんけれども、しかし、必要性の高い、透明性の高い金利指標であるということは、これは非常に大事なことでございます。そういう意味で、中央銀行にとってマーケットは非常に大事でございますから、そうした中央銀行の立場からこれからの議論に積極的に参画をしたいというふうに思っております。
広野ただし  この問題も、四年前だったですか、イングランド銀行、そしてニューヨーク連銀が注意を喚起したということから始まっております。もちろん、ニューヨーク連銀は規制的な力も持っておりますから、そういうところはあろうと思いますが、中央銀行としてやはりこういうことは未然に防止する、そういう意気込みでやっていただきたいと思っております。再答弁をお願いします。
参考人
(白川方明君)
 リーマン・ブラザーズの、今回の件は、まず二〇〇八年の春の段階で、これはベアー・スターンズの破綻の後、非常に市場の緊張が高まっている中で、金利の実勢、これをどうやって把握するのかということが議論の出発点でございました。
 先ほど申し上げましたとおり、中央銀行にとって透明性の高い金利指標というのは、これは非常に大事でございます。したがって、今回の件というのは、中央銀行にとって何か人ごとということではこれは全くございません。日本銀行自身も、これ、自らが所掌しています金融市場の、中央銀行が大いに関係しています金融市場の安定、それから最終的には金融政策の効果の波及という点でもこれは非常に大事な論点というふうにこれは強く認識しております。
 したがって、決して、先生御懸念のような、中央銀行が何かこれから逃げるということでは全くございませんで、これはしっかり向き合って対処していくと、そういうふうに決意をしております。
広野ただし  それと、公正取引委員会にお伺いします、委員長に本来であれば来ていただきたかったんですが。
 今回のものも、スイスの公取といいますか競争当局というんですか、がもう既に調査に入っております。邦銀の名門の三行を含めて十二行について調査を開始しているということでありますし、せんだってはEUのEC委員会といいますか、ここの副委員長も、LIBOR、TIBORについて調査中であると、こう言っております。
 公取の事務局に聞きますと、今まで金融機関についてはいろんな、何といいますか、銀行関係の公取としての案件はなかったと、こういう話を言っておられますが、なかったからといって今後ともないというわけではないんで、ここは国際的にもそういう談合的なことが、金利水準についての談合的なことが、まあ調査中ということでありますから、私はせめてもうヒアリング等でも始めてもらいたいと、こう思っておりますが、答弁お願いします。
政府参考人
(中島秀夫君)
 お答え申し上げます。
 先生御案内のとおり、独占禁止法におきましては、事業者が共同して商品、役務の価格などを取り決めて競争を実質的に制限する行為が不当な取引制限として禁止されているところでございます。この事業者には、当然一般事業者以外に金融機関、銀行も含まれるものでありまして、したがいまして、私ども公正取引委員会といたしましても、本件については当然関心を有しているところであります。
 ただ、個別の事案の処理について言及するのはここでは差し控えさせていただきたいと思いますが、いずれにしましても、公正取引委員会としては、金融機関も含め事業者によるカルテルなどの独占禁止法違反行為が認められた場合には、独占禁止法に基づきまして厳正に対処することとしておる所存でございます。
広野ただし  個別の案件はとかそういうことを言っていると、結局、何といいますか、見て見ぬふりをするとか覆い隠すというようなことになってしまうんで、これは海外のそういう公取担当当局のようなところがもう調査に入っているということでありますから、せめていろんなヒアリングでもやっていくというような姿勢を是非示していただきたい。課徴金なんかも、バークレーだけでもう数百億円なんですね。ですから、そういう意味では本当に前向きに取り組んでいただきたいなと思っております。
 そして、今度の金商法でも、こういう形で総合的な取引所ということになっていく、こういうことは非常に大切だとは思うんですが、やっぱり、先ほどからありますように、いろんな銀行の在り方を非常に曲げてしまうというようなことが懸念をされます。そういうこともあって、ボルカー・ルールということで、ファンドに銀行がお金を出さないようなふうに持っていくということ等が今提唱され、これは特にアメリカの方からですが、なされております。これについて金融庁と日銀総裁に伺いたいと思います。
国務大臣
(松下忠洋君)
 ボルカー・ルールについてお尋ねでございました。
 先生のおっしゃるとおり、これは昨年十月にアメリカの金融規制当局が公表した銀行グループにおける短期の自己勘定取引の禁止等を内容とする規制案であるというふうに理解しております。このルール案は、米国外の金融グループの米国外拠点に対する広範な域外適用の規定や、あるいはアメリカ国債を除く各国の国債の取引も規制対象とする規定を含んでおり、世界の金融市場や金融機関の流動性、安定性に悪影響をもたらす懸念があると考えています。
 このために、昨年十二月に当庁と日本銀行は連名で米国金融規制当局に対してこうした懸念を表明するコメント・レターを発出したところであります。各国からも同様の懸念が表明されているというふうに承知をしております。
 このボルカー・ルールの実施に当たっては、他国の金融機関や金融市場に悪影響を与えないよう、アメリカ当局において、我が国を含む各国当局から示された懸念を踏まえた十分な調整が行われることを強く期待しているところであります。
 以上です。
参考人
(白川方明君)
 お答えいたします。
 ボルカー・ルールは今大臣からも御答弁ございましたとおり、金融機関による過度のリスクテークを抑制することを通じまして、金融システムの安定確保を目指すものであるというふうに承知しています。日本銀行としては、この米国のルールが米国以外の地域にも適用されることにつきましては、以下の二点において懸念を有しております。
 第一点は、米国債以外の国債市場の流動性が低下する懸念があることでございます。米国債などの主要な米国債券が規制対象外とされていることにも表れていますように、円滑な市場取引の確保は重要でございますけれども、ボルカー・ルール上、日本国債や欧州国債などは規制の対象から除外されておりません。
 第二に、このボルカー・ルールでは短期の為替スワップ取引が規制の対象になっていますため、こうした取引を通ずるドル資金の調達が減少し、金融機関のドル資金繰りに影響が及ぶ可能性があります。
 日本銀行では、先ほど大臣からも御答弁がございましたとおり、昨年末に、これは諸外国に先立ちまして、金融庁と日本銀行が連名でコメントを発出し、懸念を伝えました。それから、私自身も幾つかの国際会議で海外の中央銀行の首脳に直接問題提起を行いました。その後、各国の当局からも同様の懸念が表明されています。
 私としましては、これらを踏まえまして、米国当局が適切に対応することを期待している次第でございます。
広野ただし  以上で終わります。