会議種別:
参議院本会議
会議日時:
2012年11月2日(水曜日)午前10時46分開議

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発言者 発言内容
議長  広野ただし君。
〔広野ただし登壇、拍手〕
広野ただし  国民の生活が第一の広野ただしです。会派を代表して、問責決議を受けた野田総理に緊急質問をいたします。
 去る八月二十九日、さきの通常国会、この参議院本会議場で、内閣総理大臣野田佳彦君は問責を受けました。その問責の理由をもう一度申し上げます。
 野田内閣が強行して押し通した消費税増税法は、二〇〇九年の総選挙での民主党政権公約に違反するものである。国民の多くは今も消費税増税法に反対しており、さきの国会で消費税増税法案を成立させるべきではないとの声は圧倒的多数になっていた。最近の国会運営では、民主党、自由民主党、公明党の三党のみで協議をし、合意をすれば一気呵成に法案を成立させるということが多数見受けられ、議会制民主主義が守られていない。参議院で審議を行う中、社会保障部分や消費税の使い道等で三党合意は曖昧なものであることが明らかになった。国民への約束、国民の声に背く政治体制を取り続ける野田佳彦内閣総理大臣の責任は極めて重大である。よって、ここに野田佳彦内閣総理大臣を問責する。
 この問責決議は、賛成百二十九票、反対九十一票、すなわち三十八票の大差で可決されました。野田総理の責任は極めて重大であります。
 しかるに、野田総理は、馬の耳に念仏といったふうで、誠に傲慢不遜な態度でこの二か月を過ごされています。
 昨日も平田参議院議長あてに、問責決議案につきましては、深く肝に銘じ、重く受け止めています、反省すべきは反省し云々、繰り返すのもむなしくなりますが、まさに通り一遍の官僚答弁的ペーパーをお届けになりましたが、この程度の受け止めで、憲政史上に残る超無責任な総理と言えるんではないでしょうか。改めて、問責決議をどのように受け止めておられるのか伺います。また繰り返しはやめてください。
 野田総理は、本来、九月の民主党の代表選挙に出馬すべきではなかったのです。民主党代表選のサポーターの投票率は三五%以下、問責を受けた野田総理のサポーター全体に占める得票率は約二二%と惨々たる状況と聞いております。
 野田内閣は、問責の後、内閣改造を行いましたが、このことこそ、問責を無視し、全く反省のない所業と言わざるを得ません。本来であれば、問責を受ければ、それこそ近い将来に総辞職をするか解散するのが総理の政治的責任の取り方であります。ところが、全く開き直ったとしか見えない内閣改造であります。最善最強であったはずの内閣を、問責後に改造した意図、意味を伺います。
 特に、総理が命を懸けるとまで言われた消費税増税関連法の最大の責任者である安住財務大臣、小宮山厚生労働大臣を替えた理由を問います。
 今後、国民会議等で議論をし、決定していかなければならない低所得者対策や食料品課税問題、住宅等不動産課税の問題、自動車関連税制、石油関連税制、子ども・子育て対策等の諸課題について、誠に無責任と言ってよい閣僚人事と考えますが、総理の見解を伺います。
 改造内閣の大臣任命も全くずさんで、暴力団関係者との交際がうわさされ、田中慶秋前法務大臣を僅か一か月にも満たず事実上更迭。しかも、野田政権約十四か月の間にこれで法務大臣は五代目になるわけで、平均して三か月足らずで法務大臣を替えています。野田総理の大臣任命者としての責任について見解を伺います。
 また、秘書関係者の自宅に実態のない事務所を設け、事務所経費を計上していたと言われる前原誠司大臣の政治資金関係法令違反事案について、総理の見解を伺います。先ほど答弁がありましたが、もっと厳正に対処すべきと思いますが、改めて答弁を伺います。
 北朝鮮による拉致問題は、拉致被害者関係者の高齢化の問題もあり、待ったなし、かつ早急に解決されなければなりません。しかし、松原仁担当大臣の交代人事等で、これまた野田政権になって四代目の拉致担当大臣になります。野田総理の拉致問題に取り組む姿勢に全く真剣さが見受けられません。ただただ惰性の猫の目人事、とんでもない閣僚人事であります。総理の任命責任を問います。
 田中慶秋前法務大臣は、当参議院決算委員長の答弁要請にもかかわらず、委員会を欠席いたしました。このことは、憲法六十三条違反にも当たるとも解釈されますし、参院の権威を著しく傷つける行為で、これをもってしても大臣罷免に当たるのではないかと思います。本件についての総理のさきの答弁よりももっと踏み込んだ見解を伺います。
 ところで、東日本大震災からの復旧・復興は、被災者、地方自治体等、懸命の努力にもかかわらず、一年八か月を経過した今日においても遅々として進んでいません。瓦れきの処理も遅れています。福島の再生なくして日本の再生なしと総理が言われた福島原発の処理も一向に進んでいません。まして、メルトダウンした原発の対策、処理はなおさらです。住民の不安を早く取り除くためにも、メルトダウン原発の対策、処理の計画、廃炉の計画についても明確にお答えください。
 消費税増税は、被災地の方々や仮設住宅等の方々にも容赦なく課税されます。古来、徳のある政治家は、天災や飢饉のときは農民の年貢や税を軽くして復旧・復興を助けたものであります。しかるに、野田内閣は、あろうことか、自民党、公明党とぐるになって、口では助けます、支援しますと言いながら、結果としては増税等で被災地を痛め付け、苦しめています。野田総理の被災地の方々に対する増税等についての見解を改めて伺います。
 消費税の大増税は、直接的に国民を苦しめます。毎日の食料品、交通費、医薬品、医療費、教育費、電気代、ガス代、ガソリン代、下水代等々が値上がりし、課税されます。年収三百万から四百万の方々は、私たちの試算では一世帯当たり毎月二、三万円の負担増を強いられます。生活は苦しくなるばかりです。
 中小企業は、現状でも、消費税未納、延滞の人たちが一、二割おられると聞いています。消費税が一〇%に増税されれば更に厳しくなって、それこそ消費税増税倒産ということにもつながりかねません。
 にもかかわらず、復興関係予算が、被災地と関係のない地方における立地補助金や調査捕鯨費の赤字補填など、復興と余り関係のないところに、それこそ風吹けばおけ屋がもうかる式の論法で流用されていることが参議院の決算委員会、行政監視委員会で明らかになっています。復興予算の流用問題について、総理の見解を伺います。
 現下の経済情勢は誠に厳しく、デフレ状態からも脱却できず、国民の生活は苦しくなるばかりです。十月三十日、政府、日銀の共同文書はできましたが、政府の経済対策は、伝えられるところによると、予備費を活用しての一兆円にも満たない事業規模のもので、これではデフレ脱却どころではありません。余りにも小さく余りにも遅い、ツーリトル・ツーレートの典型で、効果は極めて小さいと断言します。政府経済対策についての総理の見解を伺います。
 野田政治は美辞麗句ばかりで実行がおろそかです。巧言令色少なし仁であります。口ではうまく言い繕っても誠がありません。徳がありません。したがって、七十名近くのかつてないほどの離党者が続出し、なお後を絶ちません。参議院の問責は、国権の最高機関たる国会の一つの院である参院の権威にかかわるものです。野田総理におかれては、今からでも遅くありません、一日も早く誠意ある対応をなされることを望むものであります。
私たち国民の生活が第一は、まさに国民の生活を守り、日本の本当の力を引き出し、また、東日本の復旧・復興を第一優先に、日本をすばらしい国にしていきたいと考えています。
 また、今後は、マニフェスト違反の国民を苦しめる消費税大増税に反対する国民運動を展開し、来るべき衆議院選挙においては友党等と手を携えて政権に復帰し、必ずや消費税増税法案を葬り去り、政治を正しい道に戻し、議会制民主主義を守り、日本の発展に貢献する所存であるとの決意を申し述べまして、私、広野ただしの質問を終わります。
 ありがとうございます。(拍手)
〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
内閣総理大臣
(野田佳彦君)
 広野議員の御質問にお答えをしてまいります。
 まず最初、参議院問責の受け止めと対応についての質問でございました。
 今までと違う答弁をということですが、中身が同じですので、相手によって変えるというわけにもいきません。基本的なところはお許しいただきたいと思います。
 参議院において問責決議が可決されたことにつきましては、深く肝に銘じ、重く受け止めております。反省すべきはしっかりと反省し、国政の諸課題に取り組んでまいりますので、参議院における審議をお願いを申し上げます。
 平田参議院議長に表明した私の気持ちは、真摯に心から申し上げたものであります。まさに一院の意思として問責を受けましたことを深く肝に銘じ、重く受け止め、反省をしております。今後はこのような問責をいただかないように正心誠意職務に務めてまいる所存であります。
 本日は緊急質問という形で御審議をいただき、この演壇に立たせていただいておりますが、引き続き、喫緊の課題につきまして御審議を賜りたいと存じます。
 民主党代表選挙についての御主張は、御意見として承りました。
 次は、内閣改造に関する御質問をいただきました。
 内閣改造につきましては、内外に山積する諸課題に対応するために内閣の機能強化を目的として行ったものであります。個々の閣僚の任命に関しては、人事でありますので、総合的に検討し判断した結果であると申し上げます。
 国民会議の議論に付すべき諸課題等につきましては、後任の閣僚を含めまして、野田内閣として責任を持って対応をしてまいります。
 続いて、閣僚の任命、拉致担当大臣の交代及び前原大臣に関する御質問をいただきました。
 閣僚の任命等に関しましては、関連する複数の御質問をいただきました。まとめてお答えをさせていただきます。
 まず、閣僚任命とその任命に至るプロセスについては、人事でありますので、様々な総合的な検討と判断の結果であると申し上げます。
 閣僚交代人事によって任命した閣僚が職務を全うできない例があったことは遺憾であり、また、拉致事件が解決に至っていないことは政府として真摯におわびを申し上げます。任命権者としての責任を自覚しつつ、後任の閣僚を含め、内閣全体としてその職務を果たすことにより政権としての責任を果たしてまいりたいと考えております。
 また、お尋ねの前原大臣の件につきましては、政治家個人の政治資金の問題であり、必要な説明責任は御本人が果たされているものと理解をしております。
 次に、田中前法務大臣の委員会欠席についてのお尋ねがございました。
 憲法六十三条において、国務大臣は、議院から答弁又は説明のため出席を求められたときは出席しなければならないとありますが、病気その他出席しない正当な理由がある場合は出席しないことも認められると解されています。
 去る十月十八日の参議院決算委員会においては、財務大臣及び復興大臣以外の国務大臣については質疑通告があった場合のみの出席対応とされたところであり、その際、与党からは、財務大臣及び復興大臣以外の大臣に対する質疑通告については、重要な公務がある場合には副大臣対応としていただきたい旨、申入れを行っていたと承知をしております。そうした中で、同日、田中前法務大臣については、質疑通告のあった時間帯に重要な公務が予定されており、出席できない旨、理事会にお伝えをしていたところであり、田中前法務大臣において正当な理由がある場合として認識したものであると承知をしています。
 いずれにしましても、国会の運営については各党会派で御協議をいただくべき問題と受け止めておりますが、その上で、政府としては、国会からの御要請には今後とも真摯に対応してまいりたいと考えております。
 次に、東京電力福島第一原発の処理についての御質問がございました。
 東京電力福島第一原発の廃止措置については、中長期ロードマップに従って、まず、来年中に四号機の使用済燃料プール内の燃料取り出しを開始することを第一期の目標と設定をしており、これまでに四号機原子炉建屋の上部瓦れき撤去を完了するなど、作業は着実に進捗をしています。また、第二期として、ロードマップ策定時から十年以内の溶融した燃料の取り出し開始、第三期として、ロードマップ策定時から三十年から四十年での廃止措置終了を主要な時期的目標としています。
 廃炉に向けた取組は、これまでに経験のない困難を伴うことから、国が主導的な役割を果たし、内外の英知を結集して進めていきます。政府と東京電力が一体となって、廃炉に至る最後の最後まで全力を挙げて取り組んでまいります。
 次に、被災地における消費税率の引上げについてのお尋ねがございました。
 被災地の復興と社会保障・税一体改革は、いずれも進めなければならない課題であります。一体改革関連法案提出時に決定した復興に関する方針、例えば、住宅を失った被災者の方々が恒久的な住まいを確保する際の負担緩和への配慮等に沿って、消費税率引上げに当たっても、被災地の皆様の生活再建に支障が生じることがないよう必要な支援を実施してまいります。
 復興予算の流用という問題についてのお尋ねがございました。
 復興予算は、復興基本法などの趣旨に沿って措置してきたものと認識をしておりますが、個別の事業につきましては、国会等の場で種々の御指摘、御批判を受けていることも事実であります。今後、そうした御指摘、御批判を真摯に受け止め、被災地が真に必要とする予算はしっかりと手当てしつつ、それ以外については厳しく絞り込んでまいります。
 最後に、経済対策についてのお尋ねがございました。
 政府としては、現下の経済情勢を踏まえ、デフレからの早期脱却に向け、金融政策を行う日銀と緊密に連携を取りつつ、切れ目のない経済対策を講じることとしております。先日、その第一弾として、緊要性の高い施策について予備費の使用を決定しましたが、これに続き、遅くとも今月中を目途に経済対策を決定することとしています。
 以上でございます。(拍手)