会議種別:
参議院財政金融委員会
会議日時:
2013年3月26日(火曜日)午前10時開会

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発言者 発言内容
委員長  所得税法等の一部を改正する法律案及び関税定率法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。麻生財務大臣。
国務大臣
(麻生太郎君)
 ただいま議題となりました所得税法等の一部を改正する法律案及び関税定率法等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明いたします。
 まず、所得税法等の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。
 政府は、現下の経済情勢等を踏まえ、成長と富の創出の好循環を実現するとともに、社会保障・税一体改革を着実に実施するなどの観点から、国税に関し、個人所得課税、法人課税、資産課税、納税環境整備等について所要の措置を講ずるため、本法案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の内容につきまして、御説明をいたします。
 第一に、個人所得課税について、所得税の最高税率の引上げを行うほか、公社債等に関する課税方式の変更及び損益通算の範囲の拡大、住宅借入金等に係る所得税額控除制度の適用期限の延長及び最大控除可能額の引上げ等を行うことといたしております。
 第二に、法人課税につきましては、試験研究を行った場合の税額控除制度の控除上限額の引上げ、生産等設備投資促進税制及び所得拡大促進税制の創設、避難解除区域等に係る税額控除制度の拡充等を行うことといたしております。
 第三に、資産課税について、相続税の基礎控除の引下げ及び最高税率の引上げ等の税率構造の見直し並びに贈与税の税率構造の見直し及び相続時精算課税制度の拡充を行うとともに、非上場株式等について相続税及び贈与税の納税猶予制度の見直し及び教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税制度の創設等を行うことといたしております。
 第四に、納税環境整備について、延滞税等の見直し等を行うことといたしております。
 第五に、土地の売買等に係る登録免許税の特例等既存の特例について、その適用期限の延長や整理合理化等を行うことといたしております。
 このほか、附則において、寄附金税制、特定支出控除、交際費課税及び贈与税に関する検討規定を設けることといたしております。
 次に、関税定率法等の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。
 政府は、最近における内外の経済情勢等に対応するため、関税率等について所要の措置を講ずるほか、適正な課税のための規定の整備を図ることとし、本法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の内容について御説明を申し上げます。
 第一に、暫定関税率等の適用期限の延長であります。
 平成二十五年三月三十一日に適用期限が到来する暫定関税率等について、その適用期限の延長を行うことといたしております。
 第二に、適正な課税のための規定の整備であります。
 輸入貨物の課税標準となる価格の決定に係る規定について明確化を図るほか、延滞税及び還付加算金の割合の特例を見直すとともに、更正等に関する期限に係る規定の整備を行うことといたしております。
 その他、所要の規定の整備を行うことといたしております。
 以上が、所得税法等の一部を改正する法律案及び関税定率法等の一部を改正する法律案の提案の理由及びその内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願いを申し上げます。
 以上です。
委員長  以上で両案の趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
(省略)
広野ただし  生活の党の広野ただしでございます。午後も大分長くなりましたので、本来であればコーヒーブレークのときではあろうとは思いますが、よろしくお願いをしたいと思います。
 先日の大臣所信についての質疑の後、今日は税制についての質疑ということですので、その延長線上でまたお話もさせていただきたいと思います。
 アベノミクスは、やっぱり懸念されるのは、パイが大きくなれば法人の所得が上がってまた一般の国民の所得も上がるんだと、好循環がうまく回るんだという非常に楽観論に立っているわけですが、意外と格差も拡大したり、いろんなことが懸念されるわけであります。
 この間も申し上げましたが、オバマ大統領は、中間層の底上げが経済成長のエンジン役になるというような考え方を持って実行しようとしているわけです。この中間層の底上げというものを税制からやっぱりやっていくということが非常に大事じゃないかと思っております。
 雇用の拡大あるいは所得の拡大ということで、それなりの、雇用の拡大だと二十万を四十万にするとか、所得の拡大についても対策を打っておられますが、私に言わせますとツーリトルだと、もっと大々的にやらないと中間層の底上げというのはなかなかできないんじゃないかと、こういうふうに思いますが、まず大臣の答弁を伺います。
国務大臣
(麻生太郎君)
 御指摘のありましたように、この経済対策の中で、オバマ大統領の言葉を借りれば中間層の底上げ、我々で言わせていただければ三本の矢の三本目の経済成長ということになるんだと存じますが、問題は、その収益を見た場合に、過去、リーマン・ブラザーズのあの事件等々、二〇〇八年ですから五年ぐらい前になりますが、あのとき、自己資本比率が企業はどうだとかいって随分世界から言われたのとは今は全く違って、自己資本比率は多分、無借金の会社が四〇%を超えるほどになってきておりますんで、上場企業で、そういった意味におきましては、自己資本比率は多分日本は物すごい高い企業に様変わりした割には、いわゆる中間所得層たる勤労者に対して労働分配率は全然上げていないというか、むしろ下がった形になっておりますんで、その意味では、なかなかそちらの方に金が行かないということを考えましたので、我々は、給与などの支給を増加させた企業には税額控除制度を創設するとか、また、雇用を拡大された場合の税額控除制度を拡充するとか、そういったようなこととしておりまして、厳しい財政事情の中ではありますけど、雇用とか所得とかいうものの拡大のために集中的に取り組ませていただくことにさせていただいた次第です。
 なかなか難しいだろうなとは思っておりましたけれども、最近の中では、一時金を含めて給与の支給額を増やしますと言われる企業が、そういった気持ちを表明される企業が出てきたところでありますんで、この税制と併せて成長戦略を実施することを通じまして、更に民間の設備投資とかそういったものが出てきて、更に雇用とか所得の拡大につながっていくようにして我々としては経済の再生につなげていきたいんだと、つなげてまいりたいと、私どもとしては基本的にそう思っております。
広野ただし  雇用の拡大も、この間本会議で御答弁になっていたのは、今までは二十数億円の減税ですということですよね。千何百件の案件だと。所得の拡大についても、これ余りはっきり言われなかったですが、数千億円なのかどうなのか分かりませんが、いずれにしても、やっぱり雇用の拡大にもっとどんと減税をする。そんな数十億円の話じゃないんですよね。それと、所得の底上げについても税制上措置をする。これをやっぱり一兆円、二兆円の大台でやっていきますと、中間層が非常に豊かになって、それがまた成長のエンジンになると。
 だから、まず法人の留保を出させるんだというこの従来の考え方だけでは私はやっぱり本当に豊かな日本、そういう経済にはならないんじゃないかと、もっとやるべきと、こう思いますが、いかがですか。
国務大臣
(麻生太郎君)
 これはいろいろ意見が出るところで、もっとということは更に財政の出動とかいうことにもなってまいりますので、どの程度かというのは、広野先生、これはなかなか一概に、そういえばそういう効果があるということはもう間違いないとは思いますけれども、更にということになりますと我々としてはちょっといま一つ二の足を踏むところがありますので、それこそばらまきじゃないかとかいろいろ意見が出てくるところなんだとは思いますので私どもとしては今回はこの程度をやらせていただいておりますけれども、これが効果がないとかいうことになった場合には更に別のことを考えねばならぬとかもっと出さねばいかぬとか、いろんなまた御意見はそのときに拝聴させていただければと存じます。
広野ただし  三本の矢の機動的な財政という、財政の中に一番また効きますのは税制なんですね、所得税減税というのもあるわけですから。中間層の懐を豊かにするという面では、私は今の政策は余りにもツーリトルだというふうに思います。
 それと、日本の経済の大事な中小企業、九九%は中小企業ですが、それと地域経済、地方経済ですね、これがやはり非常に今苦しんでいるということだと思います。この地域経済活性化、中小企業についても、商業、サービスについて今それなりの税制を投資減税的に盛り込まれておりますけれども、これもまたツーリトルなんですね。もっと中小企業が元気が出るようにやらなきゃいけないし、地域経済を、大都市はそれなりに頑張っています、東京なんかも。しかし、地域経済を活性化するために、例えばそこの思い切った所得税減税とか、地域に限ってですよ、例えば過疎地域についてはそれをやるとか、そういうことですとか、企業がそこに定着をして、あるいは来たりするために法人税をそこは下げるとか、地方について、線引きについてはまたおっしゃるとは思いますけれども、そういう中小企業と地域経済のための税制というのはいかがでしょうか。
国務大臣
(麻生太郎君)
 これは、日本経済を活性化させていきますためには、これはもう地域、地方、地方経済、そしてそこに多くあります中小企業の活性化がない限りはこれは日本経済の再生というのは極めて難しいので、最も重要な課題なんだと、私どももそう思っております。
 したがいまして、今回の二十五年度の税制改正におきましては、企業の立地条件が不利な地域に関して、例えば離島とか半島振興対策地域においては、投資促進税制について各市町村の産業振興計画に基づいて機械装置などを設置したとか取得した場合には税制上の優遇というものを行うこととしておりまして、対象事業とか償却率の拡充などを行うことといたしております。また、中小企業支援の点から交際費課税の特例というのを認めさせていただきましたし、商業、サービス業とか農林水産業というのは、地方の中小というのは大体製造業よりはそっちの方が多い部分がありますので、その部分の経営改善のための設備投資、例えば冷蔵庫を買うとか何かいろいろございますけれども、そういったものを支援する税制を新たに講ずるということといたしております。
 こういった中で、地域の中小企業とかまた、何というんでしょうかね、地域にあります零細企業等々に関しましては、我々としてはそれなりにここが問題だという意識はございましたので、大都市はそこそこ回っていくにしても、中核都市以下の地方の都市というのはなかなか商店街含めて発展しないという、活気が出てこないというような実態、私もそういうところに住んでおりますので、そういったところで感じがありましたので、こういったものにやらしていただきましたので、まだという御意見もあろうかと思いますけれども、少なくともそういった方向を十分に配慮してやらしていただいたつもりでございます。
広野ただし  この日本列島の中で今非常に深刻なのはやっぱり過疎、先ほどおっしゃった離島、半島等も含めて、本当に過疎に苦しみ、また高齢化に苦しんでいるということだと思うんですね。ですから、従来の対策だけではやっぱり駄目なんですね。
 ですから、そういう地域においては、そこに定着するように、所得税減税をする。そして、法人税減税もする。そしてまた、高齢者対策としては、現役世代を大切にするために現役世代へ傾斜を付けて減税をするということをやらないと、これは本当に、まさに安倍総理がおっしゃっていますが、日本の田園風景、本当に息をのむようなすばらしいものである、その田園がまさに荒れんとしているわけですね。ですから、抜本的な地域対策、経済対策、そしてそこに定着をする、そしてまた高齢者対策にもなるということを税制上やっぱり考えないといけないんじゃないかと、こう思いますが、いかがでしょうか。
国務大臣
(麻生太郎君)
 今おっしゃいましたように、地方の場合、今田園風景を例に取られましたけれども、フランスの南の方へ行きますと、真っただ中にぽんと農家が建っておりますが、あれ全部国が外形を必ず保存するのを条件に一定の補助金を出しておる。中は触ってもいい、外は触っちゃいかぬ、なぜなら風景が乱れるからという理由で中以外は触らせないというようなことをやっておる等々、幾つもございますし、離島に非常に不便であっても人が住んでもらっているおかげで、そこに不法占拠を外国人にされることもない。そういった意味ではこれはかなり、国境辺にあります離島等々におきましては非常に大きな要素になっている等々、防衛上も関係あるんじゃないかとか、いろいろ御意見が昔からあるところなんです。
 なので、私ども、今そこまで手が回っていないと言われればそうなんだと思いますけれども、少なくとも高速道路はそこまで絶対通りませんし、そういった意味では船舶のあれを補助したりいろいろなことをさせていただいてはおりますけれども、今後とも、そういったところに住んでもらっているおかげで国が、国土が保全されているという部分というのは間違いなくあろうと思いますので、そういった点も今後配慮をしていかねばならぬ大事な観点だと存じます。
広野ただし  それで、私はやっぱり内需を振興しなきゃいけないと。グローバルな経済を中に取り込むというのもそれは、そういうことも必要だとは思いますが、やっぱり日本の中小企業ですとか地域経済のことを考えますと内需振興こそ本当に大切だと、こう思うんですね。
 インフラも非常に古くなって更新投資が必要だと。しかし、日本の民間企業の設備も非常に古くなってきていて、もう大事に使うのは大切なんですけれど、それによって非常に競争力も落ちてきているんですね。だから、更新投資を大々的にやれるように耐用年数等をもっと短くするという、全般的に耐用年数を見直すということですとか、やっぱり研究開発投資、今回もそれなりにやられますけれど、日本はもう資源も、まあ釈迦に説法ですが、資源もエネルギーも本当に輸入に頼らざるを得ない。そうしますと、人材とやっぱりそういう研究開発投資なんですね。これは三〇%だとか何か言っているんじゃなくて、もっと減税していいんだと思うんですね。そこを傾斜しないと、本当に日本は世界の中で生きていけないと。
 この間も言いましたが、世界ナンバーワンというよりもオンリーワンの企業を育てていくという、そして高くても売れるという、それはブランドなんかのことを例に出しましたけれども、高級ブランドはそういうのでヨーロッパのは売れているわけですね。ですから、やっぱりそういう開発投資というものにもっと傾斜を付ける、そして内需を振興していくということでないといけないんじゃないか。また、中小企業の先ほど言いました投資減税も、中小企業に外に出ていけ、それはそういうのもある程度は必要でしょう。だけれども、やっぱり国内にいてオンリーワンの企業として頑張っていけるというふうにすることが税制上も大切じゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
国務大臣
(麻生太郎君)
 おっしゃるように、日本のGDP、約五兆ドルぐらい、五百兆円ぐらいございますけれども、その中で輸出、輸出ということをよく我々としても言うところではありますけれども、現実問題として国内の需要が約八八%、九%、輸出に頼っている部分は一〇%ぐらいしかございませんで、貿易立国なんというのは全く昔の話で、今は実態は全く違ったものになっておりますのはもう広野先生御存じのとおりです。そういった意味で、内需を喚起するためには、今言われましたように、国内の需要を、やっぱり日本の中にいて戦うという形にできないといかぬというのは、私も全く同じ意見でございます。
 今、例を引かれましたけれども、オンリーワン企業と言われた中で、御存じかと思いますけれども、墨田区に岡野工業という会社がございます。この会社は、例の痛くない注射針というのを開発して、従業員たしか四人しかいないんだと思いますが、この会社は間違いなく、これまで十億本ぐらい針を作って、いまだかつて不良品ゼロというのが世界での最も売りなんだと思いますけれども、この人なんか見ていますと、間違いなく国内でやっている、墨田区の一地域で堂々とやって立派な利益を出しておられる。技術はそれしかないから、これは絶対まねができないからというようなものになっているんだと思いますけれども。
 そういったようなものが全てとは申しませんけれども、いろんな意味で、そういった思考方法としては、やっぱり唯一のものというのが大事なんであって、私ども、大量に売られて、何となくメード・イン・チャイナとか韓国製がいっぱい入ってきていますけれども、いまだ貿易収支は日本は黒であって、対韓・対中貿易は今でもたしか日本が黒字が続いていると思いますけれども、逆に、オンリーワンがありますフランスとかイタリアとかスイスとかいう方は、日本は対フランス貿易は全部赤字がずっとしておりますんで、そういった意味で、ブランドとかオンリーワンとか、そういった意味はやっぱり非常に大きなものなんであって、私どもも、今後、日本の国内の技術を考えたり、人材を考えたり、資源というものを考えたりした場合は、今言われたように、オンリーワンと言われたようなものが確立できる方向というのは、思考方法としては正しいんだと存じます。
広野ただし  まさに正しいんで、実体経済に特にお詳しい麻生大臣、それをバックアップするのに、もちろん財政も、財政というか補助金的なことも必要だとは思いますが、税制ですよね。やっぱりそれによって民間の古くなっている設備も変わっていくということもしなきゃいけないし、特に東日本の大震災の被災地、ここに企業に行ってもらうということでいろんな補助金がありますけれども、これはやっぱりそういう地域に税制でもって法人税減税もその地域においてやるとか、そうすると本社までそこへ移動することだってあるわけですから、これはやっぱり税制上の措置というのは必要なんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
国務大臣
(麻生太郎君)
 確かに、おっしゃるように、例えば被災地で、もうとてもではないということで、もう、ここに帰ってきてもう一回うちを建てるほどの年でもないしとか、いろんなことを言われる方というのは、現地に行きますといろいろ話を伺う機会もありますんで、広大な土地が空いているんなら、そこを今やってくれるんだったら、事業税、当分の間ただにしますと石巻市が言うとか、いろいろ言い方ありましょうけれども、その種のは事業税ですから地方税になりますけれども、するとか、今そこで工場を建ててくれて設備投資してくれたら一括償却認めますとか、いろんな方法は私どもとして考えられないわけじゃないですが、これはちょっと今まだ二年ぐらいでなかなか気持ち的にはそこまで行っておられないのかなと思わないでもありませんけれども、何人かの方には直接伺うと、そういったことがあればやりたいということを言われる方もいらっしゃいますし、現地にためになるなら、俺は元々おふくろの里があそこだったからそこでやってみたいとか言われる方もいらっしゃいますので、実に個々にはいろいろあるんだと思いますけれども、今言われました点は一つの新しい方法として検討に値すると存じます。
副大臣
(小渕優子君)
 東日本大震災からの復興を促進するための復興特区に係る税制について少しお話しさせていただきたいと思います。
 事業用の設備を取得した等の場合の特別償却又は税額控除制度、また新規立地した新設企業を五年間無税にする制度、また被災者を雇用する場合の税額控除制度など、大胆な税制を講じているところであります。また、今般の改正におきましても、避難解除区域等に係る課税の特例について、新たに避難解除区域等に進出する企業に同様の措置を講ずる等の拡充を行うこととしております。
 復興特区税制については、既に千百四十三事業者が適用を受けるための指定を受けておりまして、復興を推進するために一定の役割を果たしているものと考えております。しかし、先生御指摘のように、東日本大震災からの復興については中長期的な視野を持って取り組む必要があります。
 今後とも、東日本大震災からの復旧復興の状況を踏まえつつ、各省庁と調整をしながら、税制上の支援についてしっかり検討を進めてまいりたいと考えております。
広野ただし  それなりにメニューはやっておられるんですよ。だけれども、先ほど言いましたように、ツーリトルなんですよ。だから、なかなか進まないという世界になっているんじゃないのかなと思うわけです。
 今度の税制で教育資金の贈与、千五百万。これの中でちょっと心配をいたしますのは、これはいいんですが、じゃ、本当にそういう贈与を受けられない、どっちかというと貧しい方々の方ですね、そうしますと、教育格差がどんどん付いてくるんじゃないのかという心配をするんですが、これは、大臣、いかがですか。財務大臣より本当を言えば文科省を呼べばよかったんですが。
国務大臣
(麻生太郎君)
 今言われました教育資金の一括贈与に係ります贈与税、贈与税のいわゆる非課税制度なんですけれども、これは基本的には高齢者が持っておられます一千五百兆のうち半分以上が六十五歳以上とかよく言われます例ですけれども、この高齢者の資産を若年層に早期に移転させるということで、お金をまず使いたい世代にお金が行くということで経済の活性化を図るとともに、教育とか人材の育成とかいうものを私どもとしては支援したいという観点からこれを考えたんですが。
 この教育格差につきましては、別途、格差の固定化防止という観点から、今回の税制改正において最高税率の引上げや基礎控除の引下げ等々いろいろ相続税の課税強化などを行っているところでもありまして、こうした税制改正全体として評価をしていかなければならぬと思っております。
 いずれにしても、格差の固定化防止とか教育の機会均等の確保というものはこれは誠に重要な課題でありまして、税制改正のみならず、今言われましたように、教育行政全般を含めて政府全体として取り組まなければならない大事な問題だと考えております。
広野ただし  この教育、人材育成は非常に大切で、ファミリーで考えるのは私はいいと思うんです。
 だけれども、もう一つ大事なのは、社会的に、社会的にそれをまたちゃんと人材育成、教育等をやることが非常に大切で、そこに仮に、寄附税制がございますよね、寄附税制。教育ですとか研究ですとか、そういうことについての、あるいは文化という、寄附税制。これは法人、個人を問わず、そういうことによって人材育成がなされる、ある意味で社会的にそういうことができるというバックアップの、別のバックアップ体制だと思うんですが、この寄附税制ももっと、今はいろんな意味で、指定寄附金でだとかいろんなことをやっているんですよ。だけれども、これをどおんと、それこそまたもっと大々的にやることによって社会的に教育、研究あるいは文化というものを振興できるというふうに思うんですが、大臣、いかがですか。
副大臣
(小渕優子君)
 寄附金税制につきましては、少額の寄附の促進等の観点から、平成二十二年度改正で適用下限額の五千円から二千円に引き下げ、また、平成二十三年度改正で草の根の寄附を促進するために税額控除を導入するなど、順次制度の拡充を行ってきているところであります。
 二十五年度の税制改正法附則の第百八条においては、「大学に対する寄附金その他の寄附金に係る税制上の措置の在り方について、これまで講じられた措置の効果等を踏まえつつ、対象範囲を含め、検討する」ということとなっております。今後、こうした規定にのっとり、望ましい寄附金税制の在り方につきまして再度整理を行い、総合的に検討していくこととしていきたいと考えております。
広野ただし  これもそれなりにやっているんですよ。ですけれども、結局、損金算入したりなんかという話で、思い切って、法人が寄附しましたらその分どおんと税額控除ぐらいするぐらいの、ということによって教育あるいは研究、文化の方へ、今は、先ほどおっしゃったように民間はいっぱい留保を持っているんですよね、ですから、そういうものも寄附をする。日本の場合、本当に寄附については一つ一つチェックし過ぎて、何か脱税するんじゃないかというような考え方ばっかりでやっていますから、そうではなくて、やっぱり大きく、大きくというかちゃんともうけられて、そして、それなりに社会貢献をしたいという方々はおられるわけで、あるいはそういう法人はあるわけで、それをもっと自由にやってあげるということが大切じゃないかと、こう思っております。
 それともう一つは、この間も、二十五年度は景気は良くなるかもしれない、だけれども、二十六年度は消費税が上がりますから、八兆、九兆円の負担、控除等の問題もありますから、控除等の圧縮等もあったりして八、九兆の国民負担が増えると。で、次の二十七年度はまた二%上がるわけですから、ということで、その後の二年間は十三、四兆の国民負担が増えてくると、こういうことになります。
 それで、全体的な国民負担率ですね、租税と社会保険料というものを入れた国民負担率、現在、大体四〇%だと思います。それが、五%消費税を上げることによって大体三・七ポイント上がるという、四三前後に行くということになりますよね。私はやはり、昔からありますように、四公六民、民のかまどには六つ残ると、四は取っていくけれども、取っていくという言葉は悪いかもしれないですが、これは人類の江戸時代以来のやっぱり大変な知恵で、まあ懐から五割以上取っていくというのはこれはやっぱりあるいは苛斂誅求の治政というようなことになるのではないかと、日本ではね、そういうふうに思うんです。
 私はそういう意味で、四〇パーを超して四三%以降にこう行っていくということについてちょっと懸念をやっぱり持っておりまして、その点、大臣はいかがでしょうか、国民負担率ですね。
国務大臣
(麻生太郎君)
 言われましたように、四公六民はなかなか江戸時代よく言われた話で、四公六民がいわゆる平均だったと言われております、私はそんなに詳しいわけではございませんが。悪代官で大体五公五民とか六公五民になってきたりするのが大体その半分を超えたところなんですが、それでいきますと、日本の大蔵省なんというのは悪代官の方に入ってくるのかなという感じがしないではないんですが。
 いずれにいたしましても、そういった意味では、国民の負担率が平成二十四年度から〇・二%減少して四〇・〇%ということになるんですが、これは、しかし潜在的な国民負担率というのでいきますと、これは五三・二%ぐらい、ほかのがありますので、そういうことになっております。ですが、日本の国民負担率というのは、これはOECDの直近の実績値で、二〇一〇年のものですけれども、これと比較しますと、OECD加盟国三十三か国の中では下から七番目ということで、引き続き主要先進国の比較では低いという水準にはなってはおります。
 しかし、国民負担率と潜在的な国民負担率の乖離が一三%ぐらいに示されておりますように、給付に見合う負担というものは確保できずに、簡単に言えば、将来世代にツケ回しているじゃないかという非難というのは間違いなく拝聴せねばいかぬところなんだとは存じますけれども、今後とも社会保障費の自然増が毎年一兆円ずつぐらい見込まれるということを考えれば、大変留意しておかなければならぬところだと思っております。
 租税負担率だけでいけばこれは下から二番目ぐらいということになるんですけれども、我々としてはいろいろなことを考えてこういったものを検討せねばいかぬのであって、今後とも、給付と負担の適正なバランスというのは、四公六民というのは確かに誠に常識的な水準で、これにとどまるように我々としては努力をせねばいかぬところなのであって、今後とも経済が大きく成長していきますとその分だけGDPが増える、増えればその分だけGDPに対する国債の比率が下がるということになりますので、そういった意味では、中長期的に持続可能な形でこういったものをやっていくということをきちんとおなかに収めてやっていかねばならぬと御指摘なんだと思いますが、私どももそう思っております。
広野ただし  江戸時代にヨーロッパ等からも見えた外国人が、いかに日本の、東洋の果てにすばらしい国があるか。それは、先ほどおっしゃった、根っこに私は、四公六民にとどまって、それ以上やるのは悪代官で、これは水戸光圀公が出てきたりしてというような、もう拍手喝采を受けるという世界だと思うんですね。
 ですから、今、国民負担率が四三ぐらいに行っていくというのはやっぱり非常に危機的な状況であって、先ほど潜在のあれでは五十何パーということは借金の部分を入れておられるんだと思いますけれども、それを全部税で取ろうとすると、それはとんでもない世界だと思うんですね。ですから、いろんな資産も売却したり、いろんな無駄を省くという形で押しとどめないと、とんでもないことになるんだろうというふうに思うわけなんです。
 もう一つ、ちょっと時間がなくなりましたからやめますが、特別会計ですね。税を直納で一般会計に入れて、そこから特別会計に戻すものと、特別会計に直接入れてしまう分とあるんですね。特別会計に積立金等があっても、これは目的税だからといって借金返しにはできないというような点がありますが、やっぱり特別会計を整理して大いに分かりやすいものにし、そしてまず借金返しに持っていくということがやっぱり財政立て直しに非常に大切だと思っておりますが、もしコメントがありましたら、これでおしまいにしたいと思います。
国務大臣
(麻生太郎君)
 御指摘のありました特別会計の見直しにつきましては、これは平成十九年の第一次の安倍内閣におきまして特別会計法を制定されて、公共事業関係の五つの特別会計を統合するとか、いろいろ特別会計数を減少させるように取り組んできておられて、十八年度は三十一あったものが、二十三年度は十七までというような形で特別会計というものがそれなりに減ってきておるんだと思います。
 その上で、第二次安倍内閣においても特別会計の見直しについて引き続き検討し改革に取り組むということにされておりますので、先般に立ち上げられました行政改革推進会議において、三点、民営化、独法化すべきものはないか、特別会計や勘定を一般会計化にすべきか、また剰余金の一般会計への活用や積立金の規模、水準等々は適切かといった観点から改めて総括しろ、点検しろという話が来ております。
 特別会計をどの程度整理統合するかにつきましては、これはどう見ても、国民から見て透明性とか分かりやすさというものが確保されるかというのは大事なところだと思っておりますので、行政改革推進会議の議論も踏まえまして、現時点でちょっと予断を持ってなかなか申し上げることではありませんけれども、こういったものの議論に参加して、我々としても適切に対応してまいりたいと考えております。
広野ただし  終わります。どうもありがとうございました。