会議種別:
参議院財政金融委員会
会議日時:
2013年6月6日(木曜日)午前10時開会

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発言者 発言内容
委員長  金融商品取引法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、本案の審査のため、三名の参考人から御意見を伺います。
 御出席いただいております参考人は、一般社団法人全国銀行協会会長國部毅君、日本証券業協会会長前哲夫君及び一般社団法人投資信託協会会長稲野和利君でございます。
 この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多忙中のところ本委員会に御出席をいただき、誠にありがとうございます。
 皆様から忌憚のない御意見をお述べいただき、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 議事の進め方でございますが、國部参考人、前参考人、稲野参考人の順序でお一人十分以内で御意見をお述べいただき、その後、各委員の質疑にお答え願いたいと存じます。
 なお、意見の陳述、質疑及び答弁のいずれも着席のままで結構でございますが、御発言の際は、その都度、委員長の許可を得ることとなっております。また、各委員の質疑時間が限られておりますので、御答弁は簡潔にお願いしたいと存じます。
 それでは、まず國部参考人にお願いいたします。國部参考人。
〔参考人意見省略〕
委員長  ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
〔省略〕
広野ただし  生活の党の広野ただしです。
 今日は、参考人御三方、大変お忙しいところをお出かけいただきまして、大変有意義なお話をいただきまして、本当にありがとうございます。
   〔理事尾立源幸君退席、委員長着席〕
 今回の金商法改正の中で、やはり金融証券関係の危機管理といいますか、危機管理対応会議において内閣総理大臣が特定認定、特定管理ができるというようなことにもなっております。そういう中で、世界的なこの金融秩序、リーマン・ショック後のことで、再発が防止できるような形を全体的に国際協調でできないかと、こういうような観点があると思いますが、それで、ひとつ参考人の方々にはそれぞれの業界プラス有識者としてまたお答えいただきたいと思っておるんですが、まずファンドの問題です。
 このファンドは、今回のアベノミクスの為替の問題においても、ジョージ・ソロスは一千億円の利益を上げているとか言われております。いろんなファンドがあって、日本でも大体十七、八兆円のファンドがあるんではないか、世界的には一兆ドルから二兆ドル、だから百兆円から二百兆円、ですから小さな予算の国ではそれに振り回されて、場合によっては経済的な国家破綻ということだってあり得ると、こういうことだと思うんですが、それで、そのファンドの問題について、やはりなかなかこの情報開示というか透明性というものに欠ける点があるんではないか、そしてまた、ファンドは言わば国境なき世界ですから税金もどうなっているのかと、様々な点があるわけなんですけれども。
 それで、それぞれの参考人の方々に、この秩序ある市場、金融市場、証券市場という観点から、ファンドについてどういうふうにお考えなのか。私は、いいファンドと悪いファンドがあるんだと、中長期的な立場に立っているところは非常にいいんじゃないかと、ただ、短期で売り買いでもう売り抜けるというようなのはどうなのかなと、こう思ったりしておるんですが、その点についてそれぞれに伺わせていただきたいと思います。
委員長  それでは、國部参考人からお願いします。
参考人
(國部毅君)
 お答えさせていただきます。
 先生おっしゃるとおりで、ファンドの中にはいろいろなファンドがございまして、短期の売買を主としてやるファンドもあれば、本当に中長期投資を目的として対応するファンドもございますので、これはもうファンドによって区々だと思います。私どもはそういうファンドへの投資というのは余りやっておりませんで、私どもがやっておりますのは国内で、例えば新規事業の育成であるとか事業再生に必要なリスクマネーを供給するためのいわゆるベンチャー企業あての出資をグループ会社で行っていたり、あるいは事業再生に資するファンドを我々投資をしてやったりという、そういう形のファンドをやっていまして、海外的なファンドというのは余り投資をしていないのが実情であります。
参考人
(前哲夫君)
 お答えします。
 今先生が御質問されたのは主にヘッジファンドについての御質問だと思うんですけれども、このヘッジファンドというのはなかなか分かりにくいところがあるというのは確かだと思います。ただ、市場価格の変動は非常にこのヘッジファンドの参入によって大きくなるというのは否めないと思います。しかし、ヘッジファンドの参加によって流動性に非常に厚みが増えるということによって、価格構成が非常になだらかになるとか、また大幅になるという形がありますけれども、流動性の厚みができるというメリットもある。
 だから、いいファンド、悪いファンドという考え方とデメリットとメリットという面の両方考えれば、長期投資のファンドと短期投資の志向のファンドの違いというものでもメリット、デメリットは幾つか考えられると。それに対してどのように対処していくかというふうに考えていくべきではないかと私は考えております。
 もう一つ、先生の御指摘になられた、なかなか中身が分からない、透明性がないというところについては先生の御指摘のとおりなんですが、日本のファンドは一応事業報告書というものを提出しなきゃならないようになっているんですね、金融商品取引業者として。ただ、外国籍のファンドについてはその制度がありませんので、オフショア籍と言われていますけれども、これがなかなかつかめないと。これについては今後の課題ということで、どのように、国際的にもいろいろ問題がありますので、やっていくかというのは課題であると、このように認識しています。
参考人
(稲野和利君)
 基本的には前参考人と同意見でございますけれども、一つだけ申し上げておきますと、日本における公募投資信託におきましては情報開示等が法律要件も含めて徹底されております。したがいまして、運用の途中経過等も含めて投資家に対して十分な情報が提供されている。ということは、市場に対しても十分な情報が提供されている、その結果としての個々のモニタリングもおのずから行われているというような状態にあろうかと思います。
 一方、日本では私募投信という存在もございますけれども、これは公募投信とは違って情報開示要件というのは当然緩くなっています。しかしながら、相手方が、取得者がいわゆるプロの投資家、法律上のプロの投資家ではなかったとしても、非常に錬磨された、成熟された投資家でありますから、そこでも投資家、保有する投資家側においての一定のモニタリングは働いているのではないかというふうに思います。
 以上であります。
広野ただし  それともう一つ、先ほど流動性の問題も言われましたが、これは前参考人に特にお聞きしたいんですが、レバレッジの問題ですね。
 これは直接的に業界と関係するかどうか分かりませんが、FXの場合は二十五倍という形になります。株式の場合は三倍、三・五倍ですか、というところですから、証拠金と預託金等の関係との問題でありますが、私は個人的には段階を踏んでやっぱり一桁に持っていくということが、流動性の問題もあったとしても、非常に健全性の面で、あるいは市場の乱高下等からいっても大事なことなんではないのかなと、こう思っているんですが、商品取引等も含めて二桁台のものがまだあります。そういうものを国際協調の中でレバレッジを引き下げていくと、こういうことについての御見解をちょっと伺いたいと思います。
参考人
(前哲夫君)
 先生の御質問の中で、法人と個人を分けて考えにゃいかぬと思うんですよ。法人に対してはレバレッジ規制というのは基本的にはございません、それは国際的にいろいろと取引もございますので。このレバレッジの規制を掛けるとする場合には個人の取引にレバレッジを規制を掛けていくと、こういうことになってまいります。
 それで、今先生ありましたように、FXでは二十五倍と。しかし、この二十五倍というのも、元々無制限であったものが二年前に百倍になり、一年前に五十倍になり、二十五倍にしてきたということで、ほかの商品は五倍とか十倍とかいうのもあるわけですけど、債券関連あるいは株式関連によって、大体十倍程度までというのが普通ですけれども、FXは二十五倍で今止まっているということでございます。
 ただ、随分と下げてきていますので、これでこの状況が本当にまだ、このままにしておくと非常に問題があるというような状況になるのかどうかというのを検証して、これから今後どうしていくかというのは考えていくべきではないかと。今ここで一桁台にしてしまうと、またその方向性にあるというのがいいのかどうかというのはもう少し検証をしていく方が、私は、FX関連につきましては海外のものも考えれば必要じゃないかなと、このように考えております。
広野ただし  それと、金融・証券関係の危機管理のことと絡みまして、情報システムの問題を三人の御参考人にちょっとお聞かせいただきたいと思っております。
 二〇〇一年の九・一一のときも、ニューヨーク市場、マーケットはニュージャージー等のバックアップで一日たりとも休まなかったと、こういうことになっております。それぞれの業界の、協会の皆さんの中で、いろんな災害を含めて、そしてまた様々なサイバー攻撃等もございますでしょうから、そういう点について、情報システムのバックアップ体制といいますか、そういうものの現状がどうなっておるのか、ちょっとお知らせいただきたいと思います。
委員長  それでは、あと三分ちょっとでございますので、一分ずつということで、恐縮ですが。
参考人
(國部毅君)
 それではお答えさせていただきます。
 全銀協として二つ申し上げさせていただきたいと思うんですけれども、一つは、情報システム危機管理ということで、災害発生時の対応ということとサイバーテロ発生時の対応ということで御説明を申し上げます。
 災害発生時の対応ですが、全銀協では、東日本大震災、これを受けまして二〇一二年三月に制定をいたしました「震災対応にかかる業務継続計画(BCP)に関するガイドライン」におきまして、情報システムに関する震災対策といたしまして、業務継続の観点から重要な情報システムの選定、何が重要な情報システムなのか、そしてバックアップデータの取得、保管、それからバックアップサイト及び予備機器の確保、こういった等の取組を会員各行に促しております。また、全銀協が運営します国内振り込み等の銀行間決済システムであります全銀システムにつきましては、常時、東京と大阪のセンターで並行して業務を行っておりまして、仮にどちらか、東京、大阪のどちらかが稼働不能となりましてももう一方で処理できる体制というふうにしております。
 また、サイバーテロ発生時の対応ということですが、これはもうサイバー攻撃の手口というのは年々巧妙化が進んでいまして、被害も増えてきております。我が国の金融機関としても国内外からの攻撃というのを考慮に入れておく必要があるというふうに思っていまして、当行を含めまして私どもの金融機関では、外部からの不正アクセスを検知する機能であるとかウイルスチェックソフトの導入等セキュリティー対策を講じていますけれども、本件につきましては、これで十分ということではなくて、新たなサイバー攻撃の手口に迅速に対処するなど、地道に不断の努力をしていくということが大事だというふうに思っております。
参考人
(前哲夫君)
 証券会社個々が、個々には個々でBCPをやっております。証券市場の全体では証券市場BCPウエブというものをつくっていまして、これには証券会社、証券取引所、それから決済機関等々が、市場関係者が集まって危機対応を行っているということでございます。
 サイバーテロに関しましては、既に複数件報告が来ています。それは既に全部排除していますので、先ほどの國部参考人と同じように、十分じゃないと思いますけれども、もうできるだけサイバーテロ等々には掛からないように関係者が集まって努力しているという次第でございます。
参考人
(稲野和利君)
 協会が加入会員会社に対して提供するシステムについては、ふだんから安定保守を心掛けて、様々な措置を講じているところであります。一方、投資信託という仕組みで申し上げれば、最終的に財産管理は信託銀行が受託銀行としてワークしておりますので、そこのシステムがどうであるかということが一番重要であります。我々も大きな関心を持ちながら、そういった方面とも会話をしているところでございます。
 以上であります。
広野ただし  終わります。