会議種別:
参議院財政金融委員会
会議日時:
2013年6月11日(火曜日)午前10時開会

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発言者 発言内容
委員長  金融商品取引法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
広野ただし  生活の党の広野ただしです。
 この金融商品取引法改正案も、金融の危機管理対応ということも非常に大切な案件として盛り込まれていると思います。
 内閣総理大臣が特定認定あるいは特定管理というようなことも行えるということでありますが、その中でもう一つ、やっぱり危機対応ということでは、金融システムの情報関係ですね。情報システム、二〇〇一年の九・一一のときに、ニューヨークの金融機関あるいは証券市場というのは、バックアップ体制をニュージャージーでやって一日たりとも休まなかったということが伝えられておりますが、そういう意味で、この間の参考人質疑の中で全銀協会長にお聞きをしましたら、東西で、東京関係そして関西関係でバックアップ体制はやっていると、こういうことであります。
 個々の金融機関についてのバックアップ体制、それと全体システムとしてのバックアップ体制、これがまさに大事なところで、金融機関関係、ここもまた全銀協関係だし、地銀関係あり、信金関係ありというようなことになっております。そしてまた、証券もどうなっているのか、また投資信託関係も、まあ、投資信託、証券関係は参考人質疑でもお聞きしましたが、大臣からお聞かせいただきたいと思います。
国務大臣
(麻生太郎君)
 非常時のときのネットワークの話ですけれども、これはもう御存じのように、あの種の事件、あの種の事件というのはどの種の事件かと言われたら、まあ一番目立ったのは多分九・一一が一番激しく目に見える形だったと思いますが、その後リーマンの話も似たような話でしたし、そのまた前で言えば、九七年の金融危機も似たようなものが発生しておりますけれども、このときの決済のネットワークのシステムというものが、これは平時から常に業務の継続がずっと維持できるような、これはある程度、システムはこうなっていますといったって、訓練しなきゃ、いざとなったときに本当にやれるかといったら、僕は分からないと思っておりますので、いざというときにちゃんとやる訓練はふだんからやっておく必要があるのではないかと。
 したがって、金融機関においては、バックアップセンターを用意して有事の際に速やかに切替え可能な体制を整備するというのは今してあると言うんですけれども、問題は、そのときに業務の継続計画、いわゆるBCPと称する、ビジネス・コンティニュイティー・プランと称するあれですけれども、を策定して、訓練など実効性のあるものをきちんとやっておかないと駄目だということを申し上げてきております。
 また、金融機関においては、これは当然のこととして、システムがかなり変化していますので、不断の見直しが必要なんであって、金融庁も、検査とか監督とかいうのを通じて、いろいろバックアップ体制につきましても同様に、その点につきましても、きちんとしたモニタリングというか、指示、監督というのをし続けておくという必要が、これは無駄な努力かもしれませんけれども、いざというときに非常に大きなものになろうかと、私どもはそう考えております。
広野ただし  是非、それは、大手の方は大手ですが、地銀あるいは信金関係ですね、そして、これは災害等あるいはテロ等に対する対応だけじゃなくて、最近はサイバーテロということがあって、そしてまた、何といいますか、個人情報がぐっと漏えいをするというようなこともあるものですから、ここのところはしっかりと目を光らせていただいて御指導いただきたいと思います。
 そしてもう一つはネット銀行ですね。ネット銀行、店舗はないけれども、コンピューターシステムでオンラインでやっている。七行ありますが、ここは特にそういうまた情報システム管理というものは大切だと思いますが、ここのところはどういう御指導をされていますか。(発言する者あり)いや、情報システムが危機管理対応としてどういうふうになっているかということです。
国務大臣
(麻生太郎君)
 インターネットを使いました専業の銀行につきましても、この情報システムの危機管理というものにつきましては、これはちょっと他の金融機関よりもっとサイバー攻撃等々なんかに弱い部分というか、影響を受ける部分が大きいということもございますので、他の金融機関と共通する体制としては、バックアップセンターを用意してということを即時に対応が可能なように整備するとか、危機管理体制につきましては、先ほども申し上げたBCPをきちんと策定して、ビジネス・コンティニュイティー・プランをきちんと策定して訓練等々による実効的なものもちゃんとやっておいてもらうということを言った上に加えて、何といってもインターネット銀は有人店舗が少ないわけですから、そういった特性がありますので、これを踏まえてバックアップシステムへの切替え中においても、店頭でいわゆる受け払いや為替の送金や他の金融機関で迅速にできるようにふだんからやっておかないと、手続をいろいろ、そのときになって手続はどうしましょうかじゃ話になりませんよということも申し上げてきておりまして、いずれにいたしましても、これはインターネットに限らず普通の通常の銀行も、信用金庫も含めまして、全銀行でこれは常日ごろからモニタリング等々、実験等々をやっていかないとなかなか、いざというときには後手に回るということを御指摘なんだと思いますので、私どももそう考えて、その点を指摘してきておるところであります。
広野ただし  それと、この金融というものは、まさに経済の血液であり大事なものでありますが、もうこういう情報システムで、ワンクリックで世界中飛び回るという状況になっています。
 この間も申し上げましたが、ファンドですね、ファンドも、事業再生ですとかベンチャー育成ですとか、いいファンドと、まさにマネーゲーム的なそういうファンドがある。こういう中で、やっぱりマネーゲームを助長するようなことというのは余りやっちゃいけないんじゃないかなと、こう思っておるところですが。そういう中で、国内系ファンド、国内運用的なものは十七、八兆円だということですね。まあこれも何か実態把握が十分になされていないようですが、しかし年一回報告があると、特に公募ファンドについてはですね、ということのようであります。
 しかし、じゃ、外国ファンド、まあ二兆ドル、百五十兆から二百兆、世界中こういうファンドがあるというわけなんですが、そこについての情報開示というもの、これが全くないといいますか、ですから、せめて国内公募をするようなそういうファンドにおいて、私募のものは、これはなかなか難しいかもしれませんが、国内で公募する外資系ファンドについて、何といいますか、情報開示を求めるというようなことは考えておられませんか。
国務大臣
(麻生太郎君)
 広野先生御存じのように、今回のこの金融商品取引法では、いわゆるファンドを含めまして、市場関係者に対して、相場の操縦とかインサイダー取引などは禁止する一方で、いわゆる株式などを大量に保有する場合は、一定規模以上の空売りを行っている場合の情報開示の義務付け等々を行ってきているところでもあります。
 これに加えまして、グローバルに活動するいわゆるファンドに対応するために、これは日本だけではとても対応できる話ではありませんので、これは国際的な連携が必要ということで、これは特にリーマン・ショック以後だったと記憶しますけれども、サミットなどにおける議論にこれまでも日本も、これは多分日本が一番積極的に参加したと思っております。
 そして、こうした議論とは別に、日本だけで外国ファンドに対する特別の情報開示を義務付けるということは、これは多分規制の実効性が乏しいんじゃないかなという感じはいたしますし、市場の流動性を損なうという部分も出てくるんだと思いますので、いずれにいたしましても、ちょっとこれは考えにゃいかぬところだと思っております。
 いずれにいたしましても、このファンドのグローバル化に伴いまして活動も極めてグローバルになってきておりますので、市場の影響については、これは今後とも日本なりG8、まあOECD加盟国のところぐらいまでは、これは物すごく往来するところが激しいところでもありますので、こういったところと連携を図って、先ほどちょっと民主党の先生から御質問があっておりました税金の話を含めて、この問題に関しましては、各国手を携えて対応していく必要があろうかと存じます。
広野ただし  まさに大切なところで、国際協調で何とかいいファンドの動きはやってもらいたいですが、まさにマネーゲームで、特に小さい国へ行って荒らし回るという、日本はそれなりにずうたい大きいですから、それでもこの最近の為替相場あるいは株式市場の乱高下を見ますと、いろんな意味でそういうマネーゲーム的なものが随分含まれているんじゃないかと、こう思っているわけなんですが。
 ところで、もう一つ、いざ、この金融危機のときの特定認定の中で、法律で金融機関あるいは証券そしてまた保険ということでなっておりますが、そのほかに政令指定ということになっております。我が国の金融システムにおいて重要な地位を占める者に対して政令で定める者、こういうことでありますが、最近いろんな意味で新商品が、金融商品がいっぱい出てきています。
先ほどもありましたJ―REITですね、現在八兆円、九兆円になっている。大部分は健全なものだと思いますが、実際、例えばアメリカでサブプライムローンということでまさにリーマン・ショックが起きたときには、返せない人たちにまでプライムに準じた金利でやっていて、それを幾つも分けてリスク分散してやった商品が、いや、安全ですからと言っていたのが、ベクトルがそろったときはどどんと行っちゃうと。こういうことでありますから、そういうときに、J―REITの中にもそういう場合によってはサブプライムローン的なものがいつか入ってくるかもしれない。
 そしてまた、FXですね、外為、為替関係ですが、それと各種ファンドいろいろと、先ほどもありましたが、いろんなファンドが出てくる。そして、先ほどありましたが、デリバティブで、誰も分からぬような数学であるいは工学でやっていくようなこういう世界、その部分は現在対象にしようというふうに思っておられますか、どうでしょうか。
国務大臣
(麻生太郎君)
 政令指定の範囲のお話ですけれども、これは市場発の金融危機、市場から出てきた金融危機に対して金融システムの安定を図るためには、これは金融業全体を対象とすることは基本としておるんですけれども、その上で、今回の枠組みを準備する必要性とか通常の金融監督というものを通じた良心、モラルハザードの低減ということを考えながら、これは金融グループ単位で一応考えてきておるところでもあるんですが、対象範囲として、今言われましたように、金融システムにおいて重要な地位を占める者を政令としてということで対象とし得ることといたしておりますが、この範囲の話ですけれども、これは国際的な議論も踏まえてちょっと検討していかねばいかぬところだと私も思っております。
 お尋ねのこのフォーリンエクスチェンジ、FX業者というんですが、この外国為替の業者とかJ―REITなどにつきましても、これは政令で指定することによって今回の枠組みの対象とするということを今現在想定しているわけではございません。しかし、これはどうなってくるかをもうちょっと見極めないかぬかなという感じはいたしておりますので、関心を持って見ておかねばならぬ対象だと思っております。
広野ただし  やっぱりツービッグ・ツーフェールで、非常に大きなものはその社会的影響が大きいから、倒すに当たっては、破綻処理に当たってはですね、ですから倒せないんだと。これはやっぱり大変なモラルハザードを起こすわけで、この間も申し上げましたとおり、じゃ、中小企業は何の突っかい棒もないわけですね。ですから、そういうところにおいては社会的公正がもう誠に欠けるわけで、現に、今言ったような政令指定については非常に慎重にしていかないと大変なモラルハザードが起こるというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 それと、金融は、先ほども申し上げましたけれども、経済の血液であります。そういうところはありますが、やっぱりマネーゲーム的な、そしてグローバルな動きの中でそういうことを助長するようなことがあってはならないんじゃないかと。実体経済がそれによって物すごく振られて、なかなか実体経済が発展しないというようなことがやっぱりあると思うんですね。
 欧米系は、これはもうマネーゲームであろうと何だろうと自由に発展をすればいいんだと、非常にある意味では短視眼的な見方が私は多いんじゃないかと思うんです。しかし、日本は中長期的な考え方でやっぱりしっかりと発展をしていく、そのために金融も、いろんな潤滑油的な、血液として、そしてまた下支えもすると、こういうまさに共存共栄の考え方がずうっとあったと思うんです。
 しかしこれが、世界的なグローバルファンドで大いにそれが揺り動かされて大変な事態にやっぱり陥ることがあるので、私は、日本型の、世界中駆け回る、そういうマネーゲーム的なものはやっぱり何らかの形で、助長は絶対にしないという方向で、昔、金融立国という言葉がありました。金融もそれなりに稼ぎ出すということでは大事ですが、それをずうっとやっていきますと、まさにそのマネーゲーム的なものを助長するという世界になって、今もアベノミクスで一部、株の売買は非常に盛んになって拍手喝采をしておられる方はありますけれども、それがもう非常に過大になりますと、今度はそれによって実体経済が大きく振られるということがあると思いますので、金融商品取引法に関することなので、全体的な思いを大臣から伺いたいと思います。
国務大臣
(麻生太郎君)
 やっぱり我々が学校で習った経済とは全然違ったものになってきたのが最近の経済だと思っております。
 少なくとも、日本の経済見ましても、どうでしょう、広野先生、武村正義大蔵大臣のときに、財政破綻ということを最初に使われたのはあの方だと思いますが、あのとき、日本は、たしか四百五十兆円ぐらいの国債の借入れだったと思っております。GDPは五百兆、変わっておりません。それが今は約九百何十兆ということになって倍ということになっておるんですが、いわゆるGDPという、会社でいえば売上げみたいなものですが、この売上げの方は相変わらず五兆ドルぐらいで、円で換算すると少し下がっておりますけれども。それで借入れの方は倍に増えたら普通は金利は上がるんじゃないんですかね、我々習った経済学ではそういうことになっておるんですが。あのころ、五、六%あった金利は今は〇・八とかいうことになりますと、十分の一とか九分の一ということになりますと、これは明らかに常識とは違ったルールで事は動いておるという実態で、お金がお金を生むということになってきて、物すごい勢いの金が動いて、金が金を生んでこっち行ったりこっち行ったりということによって影響を受ける実体経済、物づくりとか製造業とか、そういったところが著しく影響を受けるというのが一点。
 もう一点は、そちらの方が何となくうまいこと、生き馬の目を抜く世界なのかもしれませんが、何となくそちらの方が楽でもうかるからええやと言って、普通に真っ当に働くのがばかばかしくなってきたりするようなことになる影響という点もこれは考えにゃいかぬ。
 いろんな波及効果が出ようと思いますので、その点に関しましては、今後とも日本としてあるべき形というのは十分に考えて対応していかないと、我々としては、ある日突然に、余り慣れない金融商品が全てかと思ったりすると、とても大きな損失を被ることになりかねぬという、私自身はそう思って対応してまいりたいと考えております。
委員長  広野さん、時間でございますので、おまとめください。
広野ただし  やっぱりマネーゲームで、まさに強欲資本主義というような、もうかればいいというようなことではなくて、やっぱり中長期的に、また人も大切にして、自由で公正で、私は共生だと思うんですが、自分独り勝ちして税金は払わないというような、こういうものを助長しないように是非よろしくお願いしたいと思います。
 どうもありがとうございました。